ウェブサイトリニューアルの課題
2006年5月にウェブメディアから始まったマーケティング専門メディア「MarkeZine」は、来月15周年を迎えます。15年前、MarkeZineで扱うテーマは、まるで「出島」のように新しくニッチな領域と捉えられていましたが、今ではすっかりマーケティングが世の中ごととなりました。それにともない、MarkeZineのビジネスも拡大し、今では9名の編集部員で、月間300本を超えるコンテンツを発信しています。
同時にウェブメディアの会員基盤を軸に、大規模カンファレンス「MarkeZine Day」、講座「MarkeZine Academy」、サブスクリプションモデルの定期誌『MarkeZine』、調査事業「MarkeZine Research」など、多数の事業を展開しています。
そんな中、すべての事業の基盤となるウェブサイトに、課題を感じていました。
記事を適切に露出させたい
急増したコンテンツ本数に、サイトデザインがキャッチアップできていなかったため、コンテンツのパフォーマンスを最大化できるUIにする。
記事を探しやすくしたい
読者が興味関心を持つテーマも多様化しているため、検索性を高めると同時に、直感的に欲しい情報に出会えるUIにする。
コンテンツの連続した閲覧を促したい
コンテンツを読み進めてもらうことで、読者の方にMarkeZineをより活用していただく。
MarkeZineが展開する複数のプロダクトを視覚的に伝える
「マーケティングの困りごと」を解決する手段として、ウェブメディアに加えて、イベントや講座など多様な手段を用意している。その全体像を伝え、適切に活用いただく。
スマホにもっと最適化したい
MarkeZineとはじめて出会う読者の方は、スマホからのアクセスが多い。スマホ閲覧時でもMarkeZineが提供できる価値が伝わるUIにする。
今後の事業展開にアクセルを踏むためにも、2020年度にはじめて大規模なリニューアルをすることになりました。実はこの時、MarkeZineを運営する翔泳社では、大規模なサイトリニューアルに取り組むのが初めて。予算感の共通認識を社内に構築するところからスタートしました。
落とし穴:サイトリニューアルにかける適切な費用感とは?
本プロジェクトのスタート時点では、サイトリニューアルの相場感さえ、きちんと把握できていない状況でした。「このくらいの金額でやってみて」と会社から伝えられた予算感で何社か問い合わせてみたところ、相場と折り合わず、見積もりをいただけないことも……。
ですが、問い合わせた企業の方々はとても親切で、私たちが向き合っている課題を解決するための工数や費用感を、本音ベースで教えてくださいました。そこから、改めて他社のメディアサイトのリニューアル規模や予算をリサーチし、社内の予算獲得に向けて、動き出しました。
サイトリニューアルに投資できる適切な金額は、事業形態によって様々です。MarkeZineの場合は、売上規模からサイトリニューアルに投資できる金額を算出し、社内の予算交渉を進めていきました。
いざパートナー選定!決め手は価格ではなかった
サイトリニューアルの予算を拡大し、パートナーを再び探し始めました。最終的には、正式な見積もりをいただいた3社の中から、「プロジェクトマネジメント」「リサーチ」「要件定義」「成果物への責任感」「本プロジェクトへの本気度」「価格」といった軸で、総合的にパートナーを決めました。
サイトリニューアルのパートナーは、アンティー・ファクトリーさんが引き受けてくださいました。同社は、2019年のサイボウズのOffice製品サイトフルリニューアルや、メディアサイトのリニューアルなど、多数の支援実績を有する企業です。
実は2018年に、サイバーエージェントのコーポレートサイトリニューアルの裏側を知る機会があり、クライアントからの信頼の厚さや、本気でプロジェクトに向き合う同社の姿勢を知っていたことが、大きな決め手となりました(参考記事)。