ユーザー目線の設計を「テックの言葉に翻訳」
――様々な商材、チャネルがある中で、クライアントとユーザーにとって理想的なコミュニケーションを構築するまでに、御社ではどのようなステップで支援を行っているのでしょうか。
岡野:支援の全体像としては、まずマーケティング全体における戦略のプランニングを行います。そこから徐々にどのようなシナリオが良いか、具体的なデジタルでのコミュニケーションを、商品やチャネル特性も考慮しつつ、細かく設計していきます。
その後、テックの言葉に翻訳を進めて、実装可能な形に調整していくことを行っています。
大船:アプローチのステップとしては、岡野の申し上げた通りです。中でもプランニング領域に関しては、「あるべき施策」の視点と、「ツール・データ」の視点から、現在何がボトルネックになっているのかを見極め、問題を可視化・分類し、ひとつひとつを課題化していく、といったアプローチ手法がグループ内である程度「型化」されているのも弊社の特徴です。どうしても、ツールの持つ機能に縛られ、施策が硬直化しているケースが多い中、どうすればMA施策をより高度化できるのか、数多くの知見がグループ内に集約されています。
ユーザーに寄り添ったコミュニケーションを実現するためのMAツールのフル活用、そのためのCDP構築を含むシステム開発、使用するチャネル毎の配信基盤への割り振りといった、コミュニケーション戦略の細部に至るプランニングが可能なのは、これまでの様々なプロジェクトの知見がしっかりグループ内の資産となっているからにほかなりません。特に、Salesforce製品をはじめとしたクラウドソリューションの実装・運用領域につきましては、製品の特性を踏まえた様々なコミュニケーション戦略のご提案を積極的に行っております。
電通グループ内の連携を強化、より幅広い支援へ
――最後に、マーケティング領域のデジタル活用やMA領域において、御社が今後目指すこと、提供していきたい価値を教えてください。
大船:電通グループではプランニングだけでなくシステム構築・実装までが一体となった一気通貫の支援を提供しています。
2021年1月には「Dentsu DX Ground」という組織を電通デジタル、ISID(電通国際情報サービス)と電通アイソバーで旗揚げしました。主にクラウドソリューションのインテグレーション業務および活用業務の支援を行っております。
クラウドインテグレーションに必要なビジョン構築や新ビジネス/サービスモデルの立案に強みを持つ電通デジタル、先端テクノロジーを活用した多様なITソリューションを提供しているISID、ユーザーエクスペリエンスのデザイン、つまりCX領域に強い電通アイソバーの3社が協業することで、これまで以上の価値を提供できる体制を組めると考えています。さらに同年7月には、我々電通デジタルと電通アイソバーが合併します。そこでも新たなシナジーが生み出せると期待しています。
また電通グループは、様々なITツールベンダーとのアライアンスがあります。マーケティング領域はもちろん、CDP領域やBIなどの可視化分析領域、AI領域、コマース領域など多岐にわたります。クライアントのビジネス課題に沿った形で、ツールの活用をともなうプランニングを行う際は、さらに強みを発揮できるはずです。
我々3社の協業によって、お客様を支援する全方位体制はより強固なものとなっていくでしょう。