新たな専門ソリューション機能「ADK CONNECT」
――では、今回新たに発足した事業ブランド「ADK CONNECT」の役割と、具体的にどういったものか教えてください。
ADK CONNECTは、デジタルとデータドリブン・マーケティング系のソリューションを専門領域とするブランドです。持株会社の下にある1社、ADKマーケティング・ソリューションズ内に編成する形です。DX支援のニーズに応えること、特に今マーケティング領域で大きな課題になっているデータ活用をバックアップしていきます。
たとえば、企業が蓄積するファーストパーティデータと我々独自のDMPから得られるデータを掛け合わせ、厚みのある固有のデータベースを築いて前出のマーケティングの循環を生み出すのも一つの策です。
――ADK CONNECTの強みは?
大きく、(1)クライアントファースト、(2)ワンルーフ、(3)フルファネル、(4)CX、(5)DXの五つがあります。それぞれ関連性があり、前述の獲得型と育成型の循環にはいずれもが必要な要素です。この実現は、実はCMキャンペーンのような短期施策に比べて手離れしにくい側面がありますが、ADKには元々クライアントファーストでしっかり伴走するスタイルが根付いているので、違和感なく進められています。
また、細かい専門性を極めつつもマスとデジタルが同じ組織の下にあり、ワンルーフでのフルファネル設計ができるのも、タッグを組みやすい要因です。
デジタル支援を掲げるだけの人材と体制が整った
――貴社は2013年に「コンシューマー・アクティベーション」というコンセプトを掲げ、消費者に実際の行動を促して企業の事業成果に貢献すると表明されていました。ここから、ADK CONNECT設立へのつながりを教えてください。
2013年は、ちょうど私が社長に就任したタイミングでした。おっしゃるように、クライアントの事業により深くコミットできないか、という考えに基づいて様々な事業改革や体制の整備を続けてきました。今回の一連の動きは、それをさらに進化させたものです。マーケティングやコミュニケーション領域のサポートを超えて、ブランドの魅力的な体験をともに考えて実現し、事業へのさらなる貢献を目指します。ADK CONNECTの発足は、その宣言でもあります。
――なぜ、今このタイミングだったのですか?
大きな理由として、人材や組織体制、および実績の基盤が整ったことがあります。分社化する前から、もちろんデジタルのソリューション支援はずっと手掛けていました。ただ、我々が業界で特段デジタルに強いわけではなかった。非上場化を機に自社のDXを抜本的に推進し、さらに分社化を弾みに、この2年間は徹底してデジタル人材を補強してきました。
国内・外資問わず同業の広告会社、デジタル専業の会社などから、多様なバックグラウンドを持つ方が多く参画しています。ADK自体、チャレンジ精神と専門性を追求する思想を共有する複数の会社が合流して今がある、いわば合衆国的な文化があるんですね。前述のようにADKとしての軸も明確にしたので、多様な人材が力を発揮できる土壌が一層整いました。