10代・20代の等身大の姿を映す、ABEMAの恋愛番組が人気だ。ストーリーだけでなく、キービジュアルのデザインから番組を見守るMCのキャスティングまで、細部にわたりZ世代が憧れ、共感する要素が組み込まれている。その制作ポイントは、「大人の価値観で判断しない」こと。サイバーエージェントの宣伝本部長野村智寿氏と恋愛番組の制作・マーケティングに関わるABEMA若村菜摘氏に、ティーンのインサイトの掴み方、そして話題を生み出す制作とマーケティングの関係性を聞いた。
※本記事は、2021年4月25日刊行の定期誌『MarkeZine』64号に掲載したものです。
ティーンに対する固定観念を捨てる

(左)株式会社サイバーエージェント 執行役員/宣伝本部本部長 野村智寿氏
2004年サイバーエージェント入社。インターネット広告事業本部にて様々な業界のナショナルクライアントを担当。2011年10月に新規事業開発のため、プロデューサーに転身。2012年12月にAmebaプロモーション室室長に就任し、2014年10月に宣伝本部立ち上げ。現、株式会社サイバーエージェント執行役員および宣伝本部本部長。ABEMA、ゲームなど自社事業のマーケティング・プロモーションを手がける。
(右)株式会社AbemaTV 総合編成部制作局 第2部 若村菜摘氏
2010年サイバーエージェント入社。メディア事業部に配属され、Amebaピグ、女性向けメディアby.Sの編集長、Amebaブログにてプロダクト責任者を経て、2019年にABEMAに異動、恋愛番組やバラエティを中心とした番組の制作・マーケティングに携わる。
――ABEMAでは、ティーン層向けの恋愛番組「今日、好きになりました」(以下、今日好き)と「恋する週末ホームステイ」(以下、恋ステ)が女子高生を中心に人気です。ティーン層をターゲットにした番組の制作で、気をつけていることはありますか?
野村:まず、ティーンに対する私たち作る側の価値観を疑うことです。ティーン層は、非常に感度が高く、コンテンツや情報の消費、発信も含めて、すべてのスピードが桁違いに速い世代です。たとえ同じものを見ても、私たちとは感覚も価値観も捉え方も、180度違う。そのことを前提に、リアルな声を聞くことが大切だと考えています。定性調査に加えて、番組配信中にはソーシャルリスニングも行い、どのシーンがどのように語られ、どんな印象で受け止められているかなどを細かくチェックしています。このように、リアルなティーンの声と置かれている環境、価値観、さらにそれらの鮮度を大切にしており、くみ取ったものを編集や番組編成、情報発信へと反映しています。
若村:実際、ティーンと直接話すことで「ティーンはこうだろう」という思い込みが覆されることもよくあります。たとえば「女子高校生はポップで明るい色合いやデザインが好きだろう」と思っていたら、実はシックな黒やグレー、くすみカラーに憧れを持っており、手書き文字よりカチッとしたフォントが好きということがわかったり。私たちの想像と、まったく違うことはしばしばありますし、さらにティーンの流行は、3ヵ月サイクルで移り変わります。ですから、自分たちの固定観念や価値観で、物事を決めてはいけない、と気をつけています。

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マチコマキ(マチコマキ)
広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。
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