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定期誌『MarkeZine』特集

若者人気No.1のABEMA恋愛番組に学ぶ、Z世代の心を掴む法則

今の若者文化に「推し」の存在は欠かせない

――では、視聴数を伸ばすために、どのような施策を行っていますか。

若村:ABEMAはリアルタイムで配信中の番組を視聴できる「リニア型」と、好きなタイミングでオンデマンド視聴できる「オンデマンド型」の2つの視聴方法があるのですが、リニアの視聴が増えると、オンデマンドの視聴も伸び、全体の視聴数が増えるという傾向があります。そのため、リアルタイムで見る熱量の高いファンを増やしていくことが非常に重要と考えていました。そして、ABEMA上のコメント(※ABEMAでは番組を見ながらオンタイムでコメントをすることができる機能がある)とソーシャル上の会話が盛り上がると、リニア視聴数が伸びる傾向もわかってきていました。

 そこで、リニア視聴時のコメントを盛り上げるために、若者文化に欠かせない「推し」が生まれやすい環境作りを意識して行いました。出演者1人1人にファンがつき、「推しのあの子には幸せになってほしい」という気持ちをもって観ていただくことで、リアルタイムでの視聴を促したのです。この視点は、制作サイドとしても出演者のオーディション時点から視聴者の「推し」の熱量が高まりそうな要素がありそうな方か、という点も意識しています。

 また、「カップル推し」も話題化の重要な要素だと捉えています。カップル推しは、「そのカップルがうまくいってほしい」という気持ちから、コメント量が加速していきます。これまでも、ファンを起点に「しゅんまや」や「なのかじ」といった愛称を持つカップルが生まれ、番組が盛り上がりました。このファクトをもとに、ソーシャル企画で「あなたはどのカップル推し?」と尋ねたり、愛称を募集するなど、カップル推し文化が生まれやすいような環境作りも行いました。

――「今日好き」「恋ステ」ではSNS上での盛り上がりも印象的です。SNS活用では、どのような点を工夫されていますか?

野村:各プラットフォームの特性を活かし、企画の目的を組み合わせた活用をしています。たとえばTwitterは、瞬発力が高く、番組への関与度が低いユーザーに対しても、情報流通が長けています。一方でInstagramは、出演者とファンの結びつきが強いため、それをベースとした施策は相性が良い傾向にあります。キャンペーンや投稿内容もプラットフォームと企画の組み合わせごとにすべて変え、番組の進行に合わせて、どんなタイミング、どんな方法で発信すると、成果が最大化するのかを考えてプランニングしています。

 またABEMAでは、番組企画立案時からマーケティングの部署が介入し、ターゲットに番組を届けるために必要なことをすべて考え、制作部署と一緒に実行しています。具体的には、誰をターゲットとし、どの部分をおもしろいと思ってほしいのか、それをどのように届けたら楽しんでもらえるか? というWho・What・Howを番組企画立案時から考えています。そして、そのために必要な要素を取り入れ、構成、キャスティング、ストーリーライン、各種クリエイティブなどを作り上げていきます。

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「番組を運用する」思考が、再現性のあるヒットを生む

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/04/27 07:30 https://markezine.jp/article/detail/36127

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