ユーザー同士が助け合うコミュニティがカスタマーマーケティングの基盤に
MZ:続いて松井さんが担当されているカスタマーマーケティングについて、どのような取り組みをされているか教えて下さい。
松井:カスタマーマーケティングは、すべてのお客様を根底から支援するものであり、マーケティング全体に影響を及ぼす重要なものです。私は「ユーザーがユーザーの成功を導く」と考えていて、マーケターの活躍の場、マーケター同士がつながれる場を提供することを大事にしています。
その中でも大きな取り組みが「Marketo Engage Champion(マルケト エンゲージ チャンピオン)」です。Marketo Engageユーザーの中から、高い目標に向かってチャレンジし、社内外に大きな影響を与えた情熱のあるマーケターを年に1回選出し、表彰しています。現在ちょうど2021年の募集をしているところです。
また、年に2回、ユーザー会「MUG Day(マグデイ)」を開催しています。社外のユーザーと交流することで、新しいアイデアの発見があったり、悩みや課題を解決しあえたりするなど、日々の業務の刺激になっているようです。
このように社内外で活躍の機会を提供すると、ユーザー発信のメッセージが増えていくので、アドビのマーケティングにおいても重要な活動です。
MZ:分科会などのコミュニティもかなり活発に動いているんですよね。
松井:はい、多いところでは月に1回ほど活動していますし、少ないところでも3カ月に1回は動いています。分科会では、近しい業界業種のユーザー、共通の課題を持つユーザーが集まり、より深いディスカッションを行っています。ユーザー同士の交流が最も活用促進につながりますし、「そんな使い方もできるのか」などと細かいレベルの学びもあります。
今活躍しているMarketo Engageユーザーの方も、過去に他のユーザーさんに助けてもらっています。ですので、みなさん自分たちのナレッジを共有することを惜しまないですし、コミュニティの役に立つということがモチベーションにもつながっていると話して下さいます。こういったユーザー同士のコミュニケーションをもっと活性化させて、よい循環を回していきたいですね。
MAの幻想を解いて、自走に向けたサポートをしていきたい
MZ:最後にこれから実現していきたいことをお聞かせください。
虻川:現場寄りのマーケターは、「今自分は何のためにこの作業をしているんだろう」と悶々とする時も多いと思います。Marketo Engageを使うことで、そういった地味な作業が少しでも楽になり、自分の成果を証明できて、社内外できちんと評価される。そんなスキームを描ければよいですよね。
松井:はじめのほうでもお話しましたが、購入したツールを使っているという状態から、なくてはならない状態にしたいというのが個人的な思いとして強くあります。
マーケティングオートメーションは、“オートメーション”という単語から、なにか夢のような出来事が起きるのではないかと思っている方も中にはいらっしゃるかもしれません。ですが、全くオートメーションではありません。オートメーション化の設計をするのは人であり、ビジネスの当事者にしかできないところです。自社のビジネスの目指すべき方向性が固まり、機械に任せるところと人で運用するところを切り分けてから初めて、MAで行いたいことを具現化することができます。
MAでどんなビジネス課題を解決したいのかという明確な意思のもと、覚悟をもって導入することがとても重要です。マーケティングを実施する上でMarketo Engageはなくてはならない存在だと思います。みなさんが正しく実装できるようにサポートしていきたいと思います。
オンライン時代に優れた購買体験を提供し、他社との差別化を図るには?