メルカリ内外をフル活用してコンテンツを届ける
――コンテンツのリーチを拡大するために行っていることはありますか。
宮川:まず、メルカリのお客さま向けに1ヵ月に1回メールマガジンを配信しています。そして、メルカリマガジンの公式Twitterアカウントで告知を行うとともに、メルカリの公式Twitterアカウントでも一部記事を告知しています。
山岸:また、ヒト軸やモノ軸、コト軸の様々なキーワードでの検索流入も多いですし、LINENEWSやスマートニュースといったキュレーションメディアへの外部配信も行っています。SNSで反応が良かった記事は広告配信もしています。
――自社で持っているリソースと外部配信の力を組み合わせて、リーチを広げているんですね。コンテンツはどのような体制で制作しているのでしょうか。
宮川:編集部は私と山岸の2人で、山岸はコンテンツ制作に加えてWebディレクターとして数字面の分析・プランニングを行っています。また、私たちはコンテンツチームとしてメルカリの公式TwitterやInstagramの運用、ブランディング施策の企画・実行などを兼任しています。
ライティングや撮影などは一部外注しているところもありますが、最終的な編集は私か山岸で行っています。
PVだけではない複数指標でパーセプションチェンジを測る
――「メルカリマガジン」はどのようなKPIのもと運営しているのでしょうか。
宮川:重きを置いているのはパーセプションチェンジです。「メルカリマガジン」はメルカリを利用したことがない、一度使ったけど利用しなくなってしまった、といった潜在的なお客さまに触れていただくことで、利用意向や好意度を高めたいと考えています。
そのためPVなどの指標は追いかけつつも、調査でコンテンツ接触者の利用意向や好意度のリフトがどれくらいあったかを定期的に把握しています。
山岸:PVやCTRなどの定量的な指標偏重で結果を追い求めて運用を続けると「好きなものと生きていく」のコンセプトに沿わない記事を作ることになってしまい、メディア=間接的なメルカリのお客さまを集める場、という存在のバランスを崩すと思っています。お客さまに合ったタイミングでメルカリを想起してもらうためにも、調査やSNS上のコメント、滞在時間、PVなどを総合的に見てメディアのコンディションを評価するようにしています。
宮川:加えて、今後はメルカリをすでに使ってくださっている方々にも共感してもらえるコンテンツも積極的に出していきたいと考えています。メルカリもMAUが1,900万を超えるアプリになっているので、メルカリが生活にどうお役立ちできるか、楽しくて新しい使い方といったコンテンツを定期的に制作しています。これからは、継続してもらうという観点も大事にしたいと思っています。
メルカリと生活者の架け橋に
――最後に、今後の展望をお願いします。
宮川:「メルカリマガジン」が、メルカリを使っていただく可能性のある方の一番近い顧客接点になるような運用をしていきたいと思っています。新しいサービスを使うときは、必要性はもちろんですが、その手前で心に響いたり、理解や安心が深まったりする体験がないとなかなかハードルが高いと思っています。
そのため、今後も「メルカリマガジン」では生活の中で心を動かされる、出会いや気づきを与えられるコンテンツを届けていきたいと考えています。その先に、メルカリという選択肢もあるよ、という距離感ですかね。生活者とメルカリをつなぐ架け橋となる存在を目指します。
山岸:今後はSNS上で「メルカリマガジン」そのものや記事に対してのポジティブなコメントをもっと増やしていきたいと考えています。ポジティブなコメントの多い記事は反響も大きいので、そういったコンテンツをより多く作って「メルカリマガジン」の輪郭を出していきたいです。