単発で終わらない、地続きのコミュニケーションを生み出す
――My COFFEE STYLEでは、LINE公式アカウントをどのように運用されていますか。
お客様とダイレクトにつながる接点として運用しています。先ほどお話ししたMy COFFEEマップの他、食に関する質問からお客様に合うコーヒーをレコメンドする味覚チェックの機能や、コーヒーにまつわる読み物をご紹介しています。
さらに、店舗・オンラインショップ問わず商品購入時にポイントが貯まるMy COFFEE STYLEカードとも連携できるんです。その場合、店舗ご利用時にPOSデータとも紐付くため、「先日はご来店ありがとうございました」のメッセージ送信や、一定期間の来店がないときの発信など、CRM的なコミュニケーションも行っています。
ECサイト会員の6、7割の方がLINEと連携しているため、メールマガジンのパーミッションよりも、LINEの反応率のほうが高いですね。さらに、最新の投稿だけでなく、半年ほど前の投稿に対してもタップがあり、思わぬタイミングでオンラインショップへの遷移が起こる点がおもしろいです。LINEはこれまでの投稿がまとまっている分、過去の情報にも遡りやすいのかもしれませんね。メールマガジンには起きない現象なので、興味深く追っています。単発で終わらない、地続きのプッシュ型コミュニケーションになっているのではないでしょうか。
コーヒーがある生活を想起させるクリエイティブを重視
――ここまで、My COFFEE STYLEには様々な顧客接点があることをうかがいました。それらをまとめ、一貫したブランド体験を提供するための工夫を、教えてください。
商品画像には、とてもこだわっています。そもそもコーヒーは、豆や淹れたコーヒーのビジュアルや言葉だけでは、味も香りも伝えきれず、ECに不向きな商品。その条件下で提供できるオンラインの体験は何か? と考えたとき、画像を作り込み、世界観を訴求することだと考えました。よくあるパッケージ画像ではなく、コーヒーのある生活シーンを想起させるクリエイティブを重視し、撮影・制作を行っています。
たとえば、カップに淹れたコーヒーと商品パッケージ、お菓子を並べる。背景となるテーブルを複数パターン用意するなど、「コーヒーを楽しむ世界観」が伝わるビジュアルを意識しています。オンラインショップ内の画像だけでなく、リターゲティング広告やショッピング広告の表示画像も同様に制作していますね。LINEも画像のクオリティで反応が大きく変わりますし、コロナ禍の巣ごもり需要でキーワード検索やオンラインショップへの流入も伸びている分、今後も画像は重要視していきます。
――終わりに、今後の戦略を教えてください。
次のステップとして、店舗のタッチポイントを再検討しているところです。コロナ禍で試飲・試食をともなうイベントを控えていますが、違う形でコーヒーを選ぶ楽しさをお届けしたいですね。また、キャラクターとコラボレーションした商品の反響は高く、コーヒーを楽しむ入り口の1つとして、今後も検討したいと考えています。また、家でよりリッチなコーヒーを楽しみたいというニーズも増えていくだろうと予想しています。コーヒーマシンを導入したい、豆や淹れ方にもこだわりたいというシーンにも、パーソナライズなコーヒーの楽しみ方を訴求したいです。