顧客企業は「体験」や「レビュー」をより重視する傾向に
米国のテクノロジー製品評価サイトTrustRadiusが、BtoB製品を購入する際、何を重視するかを調査したデータがある。結果、ベンダーのマーケティングやベンダーの顧客事例、セールス活動、ベンダーのブログやオウンドメディアといった従来のマーケティングのメイン施策が、調査では軒並み「重要性が低い」と回答されている。
逆に重要性を高く評価されているものは、プロダクトのデモ利用やユーザーレビュー、ベンダーレップ、リファラルなどだ。これらはすべてカスタマーサクセスが担う活動になる。今後、こうした実際に体験してもらうことや、ユーザーの声を発信していくことが企業の事業拡大に必要であることがわかる。
MQL・SQLだけでなくPQL・CSQLも加味した戦略を
カスタマーサクセス時代には、重要指標の変化も見逃せない。従来マーケティングで使われてきたのは、MQL(Marketing Qualified Lead)やSQL(Sales Qualified Lead)だったが、カスタマーサクセス時代には、さらにファネルを進んだ先にあるPQL(Product Qualified Lead)とCSQL(Customer Success Qualified Lead)が重視される。
PQLは製品のオンボーディングを行ったリード、CSQLは製品で期待している効能や価値を実感できたリードのことをいう。藤島氏は、この変化について、市場ニーズと照らし合わせて次のように説明した。
「MQLやSQLは、いってしまえば広告宣伝やセールスのコミュニケーションでも何とかなる領域です。広告やメール、イベントの改善で獲得できるものです。一方で、PQLやCSQLは1つひとつの製品・サービス体験に真摯に向き合い、作り込みをする必要があります」(藤島氏)
カスタマーサクセス業務は製品・サービスの購入前後のコミュニケーションをすべて含めた「総合技」である。PQLやCSQLを集めるためには、会社全体で取り組んでいく必要がある。「そこがカスタマーサクセスの複雑でおもしろいポイントです」と藤島氏は話す。
加えて、これまでマーケターとして仕事をしてきた人がカスタマーサクセスの仕事をすると、視野の広がりを感じるようになるという。
「コミュニケーション設計をするだけではなく、製品を良くするためのプロダクトマネジメント、サービス・UX設計などが発生します。非常に経営に近い視点を持つことになるので、おもしろいポジションだと私は思います」(藤島氏)
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