16,000近い情報から怪しい取引をリアルタイムで判断
――1~100の数値でスコアリングできるとのことですが、どのような要素をもとに判定を行っているのでしょうか。
「Sift」では、住所や名前などの情報にとどまらず、どこから流入してきたか、登録メールアドレスなど16,000近い情報を取り込んでスコアリングを行うため、非常に精度が高くなっています。また、スコアリングの結果もリアルタイムで返すため、今行われている取引に問題がないかすぐ判断することができます。
――実際に怪しいとされる取引にはどのようなものがあるのでしょうか。
たとえば、配送先住所が日本なのにIPアドレスが海外だったり、フリーアドレスで似たような羅列のものによる注文が相次いでいたりというケースが上げられます。Siftであれば、これらの不正な注文をいち早く発見することができます。発見が早ければ、売上が上がる前にキャンセルできますし、発送前であればエンドユーザーにメールや電話で確認することも可能です。
吉野家も導入でチャージバック率が1割以下に
――実際に導入している事例があれば、教えてください。
食品、アパレル、化粧品、飲料系メーカー、CtoC取引のサービスを運営する事業者様、デジタルコンテンツの配信を行う事業者様など、様々な領域で導入されています。
実名でご紹介できる事例だと、牛丼でおなじみの吉野家様に導入いただいています。吉野家様は新型コロナウイルスの影響でおうち時間が増えたことにより、冷凍牛丼の具をメインで販売している自社ECサイトの売上が急増していました。しかし、それに合わせてチャージバックの発生も増加し、3ヵ月で160万円以上の損害が発生していました。
最初はその不正に対し1件1件人力で電話確認や発送停止の対応を行っていたものの、1件あたり30分~1時間かかってしまい、社員の方も疲弊している状況でした。
その中で、利用者の購入体験を阻害せず、コストパフォーマンスが高いという理由から「Sift」を導入いただきました。吉野家様では、「Sift」が算出するスコアが40点以上の取引を「保留」にして翌朝まとめてレビューし、不正と判断したものは出荷を停止する仕組みを作り上げました。
その結果、レビューから発送対応までにかける時間は1日に30分と大幅に対応時間が削減されました。また、不正判断の精度も上がりチャージバックの発生件数が1割以下まで減少したため、損額はほとんどなくなりました。
――160万円近い損失がほとんどゼロに近い状態まで改善でき、対応工数も削減できたのは非常に素晴らしい事例ですね。
新型コロナウイルスの影響を受けてECを始められた事業者様や、吉野家様のようにECの売上が増加する事業者様は多いと思います。そういった事業者様が増えるにつれて不正利用に狙われるケースも増えてきます。そのような被害に遭わないよう、不正防止サービスをはじめとした対策が必要になることは意識すべきだと思います。