“勝ち筋”を見つけ、訴求の精度を高めていく
――実際にオープンワークで行った施策について、詳しくお聞かせください。
堀本:まず、“訴求筋”を見つけていきました。そのために、何十パターンもバナーを作ってもらい、様々な側面の媒体特長をアピールしていきました。さらに、いろいろな切り口でホワイトペーパーを制作し、その成果も検証しました。
そうしたPDCAを 2ヵ月から3ヵ月回すと、どの媒体のメニューでこういう訴求をするとリード獲得につながるという“勝ち筋”がある程度見えてきました。勝ち筋が見えてきたら、バナーなどのクリエイティブをさらに研ぎ澄ませて、より精度を高めていきました。
福田:価格訴求はもちろん、オープンワークさんでは社員クチコミで企業のリアルな評判がわかることにより、転職後にギャップを感じる人が少ないという特長などを訴求軸としました。サイクルの早いA/Bテストなどを行い、顧客獲得単価が安い媒体を見極めたり、より刺さりやすい訴求を研ぎ澄ませていったりしました。
福田:ホワイトペーパーもSFAやMAで効果を追いました。ダウンロード数が一番多いテーマとは別のテーマのほうが、実はダウンロード後の商談化率が高く、商談単価も低いことが分かり、そちらをより露出していくよう舵取りをしていきました。もし、きちんと成果を見ていなければ単純にダウンロード数が多いテーマに予算を割いていたと思います。
加えて、ホワイトペーパーのテーマとしても、サイトを見てもらえばわかる特長だけでなく、競合研究を行った上で「こういう訴求をした方が良いのではないか」というご提案もいたしました。
堀本:自社では気づかなかった訴求ポイントや今足りていないところ、チャンスがありそうなところなども提案いただき、新たな気づきを与えてもらいました。
成果が2倍になり、持続可能なリード獲得にも貢献
――今回取り組んだデジタルマーケティングによる成果はいかがでしたか。
堀本:直接的な効果として、コスト約2倍に対し商談数が5倍強、受注数が6倍強と、施策実施前よりも効率的に受注につなげられました。また、リクルーティングサービスへ自然検索から流入してきて、商談にまで至る件数が2倍に増えました。
2021年の7月から年末までの半年ほど行ったのですが、後半どんどん数字が上がっていきました。Twitterで認知目的の広告を実施した頃から自然流入経由の商談件数が増えたように思います。
自然検索から見込み顧客が流入してくる流れができたので、メディックスさんには継続的な事業成長の土台作りにも貢献いただいたと思っています。
――最後に、マーケティングにおける今後の展望についてお聞かせください。
堀本:今後は、検討度合いの低いリードに対して、たとえばセミナーの開催やメールマガジンの運用などによってナーチャリングできるような体制も作れたらと考えています。そういう複合的なコミュニケーション戦略を組むことで、効果がさらに改善できるのではないかと思います。
大内田:我々はプロダクトありきではなく、ソリューションニュートラルで考え、売上を最大化するための方法を実施していけたらと考えています。
コロナ禍で対面営業が難しいという社会的な事情もあり、近年はBtoB企業によるデジタルマーケティングの盛り上がりが、より一層加速しています。今後さらに、単なるリード獲得に終わらず、その先の商談や受注までを施策の評価とすることが増え、また、認知目的の施策への理解なども深まっていくのではないかと思っています。そうした中で、真にビジネスに貢献する支援を続けていきたいです。