就活のオンライン化により、学生と企業との接点が増加
就活生や求職者の情報収集がオンライン化することによって、企業の採用活動でもデジタルマーケティングを取り入れ、SNSやWebメディアを活用した情報発信がスタンダードになってきました。
また、就活の早期化や長期化に対応するためにも、これまで採用担当者が行っていた説明会や面談など人が直接的に動いて実施する活動以外に、採用サイトのコンテンツ拡充やSNSなどでの発信を強化し、その企業を理解することができるコンテンツを定常的に発信することが求められるようになっています。
最近はどの企業もオンラインで情報を発信することは珍しくなく、SNSでの情報露出も増えています。多くの企業が採用広報のデジタルシフトを行い、オンライン上に企業の採用や働き方にまつわる露出が増えたことで、就活生がSNS上で企業との接点を持つ機会が増加していることは明らかです。
SNSを活用した就活とは?
能動的にSNSを活用して就活をする目的の多くは「情報の裏取り」です。興味を持った企業や実際にエントリーをした企業にまつわるニュースや、社員の個人アカウントを見ることでリアルな部分を探っています。
説明会や採用サイトで得た情報を疑っているわけではありません。ただ、SNS上の社員の個人的な発信、興味のある企業に関連したニュース記事などに対するエンゲージメントから、その企業に対する世の中の印象を確認しているのです。
特に最近は、就職先を選ぶ上で業務内容や待遇面だけでなく、企業やブランドの社会性、働く人の魅力など、様々な要素が判断材料になります。このような就活のスタイルが浸透することで、就活をきっかけに企業やブランドへの興味を持つ学生が現れています。
Z世代就活生が、企業やブランドに興味を持つプロセス
Z世代の就活生が、企業やブランドに対して興味を持つまでには、2つのプロセスがあります。1つ目は前述の「企業情報の裏取り」をきっかけに、特定企業の事業や働き方を深掘りすることにより、企業やブランドが持つ魅力に気が付くことです。様々な視点で企業を見ることで、興味が醸成されるパターンと言えます。
新卒の就活は人生で1回のライフイベントです。その中で、能動的に情報を集めた企業は、その後の人生でもかなり印象深くなるのではないでしょうか。私も就活でエントリーした企業はいまだに覚えています。
2つ目は就活とは関係なくSNSを見て、受動的に企業やブランドの情報に出会うパターンです。先程多くの企業が採用のオンライン化に合わせて、SNSやWebメディアでの発信を強化している件に触れました。実はZ世代が日常的に見ているTikTokやInstagramストーリーズ面で採用目的の広告露出を行う場面も非常に増えているのです。
またSNS上で投稿がエンゲージメント(いいねやコメントなどのリアクション)されることによって、他のユーザーのタイムラインに情報が拡散されます。フォローしている知人やインフルエンサーのエンゲージメントを通じて「こんなブランドがあったんだ」「この企業はこんなこともやっているのか」と、偶然の出会いから企業に興味を持つわけです。
では、どのような企業が就活生から注目されているのでしょうか。次のページではSNSデータをもとに就活生が注目している企業を紹介します。