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生活者データバンク

新鮮な生活者の記憶をマーケティングに活用

新鮮な意識データ×ログデータでより深い生活者理解を

 前述のような詳細かつ具体的な情報を、最初に述べたログデータの集合から抽出・解釈するのは非常に難しい。また、購入後間もなくの聴取だからこそ取得できた回答でもあり、時間が経過してから聴いても後付けの理由が混ざるなどのバイアスが懸念される。

 このように一般的なWebアンケートでは難しい調査でも、記憶に頼らず回答してもらえる手法を用いれば新鮮で良質なデータを得ることが可能である。

 無論、新鮮な意識データが全方位的に優れているわけではなく、年間購入個数や過去の購入経験有無など記憶を遡る必要があるもの、購入価格やリピート購入有無など結果が一意に定まるものなど、ログデータのほうが得意とするものも多い。逆に言えば、ログデータと新鮮な意識データがそれぞれの強みで補完し合えば、これまでにない深い生活者理解が可能になるはずだ。

 たとえば、グループ会社のインテージが提供しているような消費者パネルデータと、当社の新鮮な意識データを組み合わせることで、新商品の立ち上がりをログ・意識の両面から分析するといったアプローチもあり得る。

 図表5は前述の聴取時に合わせて確認した購入意思決定のタイミングだが、たとえば鍋つゆや冷凍食品は約6割が非計画購入である。

図表5 購入決定のタイミング(調査結果)(タップで画像拡大)
図表5 購入決定のタイミング(調査結果)(タップで画像拡大)

 非計画購入時には、定番棚よりもそれ以外(アウト展開)での購入率が高くなることが過去の調査からもわかっているので、先に紹介した購入理由や陳列状況の解釈、あるいはログデータ解析時の視点にも活かせる。

 今後、生活者理解の解像度をより上げていくためには、日々膨れ上がるデータの中でも歩みを止めず、デジタル化の進展により取得可能となった新種のデータも積極的に取り入れ、組み合わせての活用方法を模索していく必要があるだろう。

※1 CODE秒速リサーチ
特定の商品を自然購入した生活者へ最速1分以内のリサーチ(アンケート)が可能。レシートと商品バーコードを活用した特許取得済の仕組みで、購入者の声をリアルタイムに聴取でき、自社・他社を問わず簡単にリサーチが行える。

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この記事の著者

松岡 滉一(マツオカ コウイチ)

株式会社リサーチ・アンド・イノベーション サービス推進部長

広告プランナーを経て、2019年リサーチ・アンド・イノベーションへ入社。日用消費財メーカー向けSaaSを立ち上げたのち、家計簿アプリ「CODE」のプロダクトマネジメントを担当。2020年より現職。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/03/29 07:30 https://markezine.jp/article/detail/38632

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