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ニールセンの調査に見る消費者のメディア消費と購買行動の変化。コミュニケーションにおける注意点とは

ポストコロナのコミュニケーション課題

 コロナ禍での変化をパーチェスファネルに当てはめると、コミュニケーション上の課題が明確になる。

 1つが、デジタル広告の活用だ。消費者が認知・検討段階でもデジタル化しているならばコミュニケーションもデジタル化する必要がある。そこに立ちはだかるのが、クッキーレス対応やメディア横断の課題だ。

 2つ目が、検討・購入のオンライン化が進むため、オンライン購入を増やす施策も活発になっている。しかし、今のやり方で良いのか? を考える必要があることだ。

 多くの企業にとって喫緊の課題はクッキーレスや広告IDなどのデジタル識別子の問題をクリアし、ターゲットに対して適切なコミュニケーションすることではないだろうか。今後はテレビとデジタルを組み合わせるなど、メディアを横断したデジタル広告の活用が増えるだろう。しっかりとプランニングしてデータ計測をしながらPDCAサイクルを回すことが求められる。

 ニールセンの調査によると「直近1年間で何回も表示される広告が増えた」「興味のない広告が表示される機会が増えた」と感じている人は、インターネット利用者のうち44%を占める。単純にすべてがクッキーレスの影響とは言えないが、対策は必要だろう。

 対策の方法としてはクッキーレスならばファーストパーティーデータや、コンテキストターゲティングの活用が考えられる。ただし、どれも一長一短だ。ファーストパーティークッキーを活用するとメディアが限られてしまうし、コンテキストターゲティングは規模がさばけない。

 「クッキーレス時代は、各メディアのオーディエンス特性を“人”ベースで把握することの重要性が高まっています」と高木氏は提唱する。

「そこに人はいるのか、広告は何人に届いたのか」を考える

 広告を出す際に重要なのは、配信するメディアに実際どのようなオーディエンスがいるのかを正確に人ベースで把握してくことだ。「今まで、ターゲティングできるために見逃しがちだったのではないでしょうか」と高木氏は指摘する。

 ニールセン社が測定する「トータルデジタル視聴者数」の月間データによると、Yahoo Japanは約8,600万人、YouTubeは約7,000万人が利用している。サービス全体の数値だと捉えにくい場合は、年代で考えるとわかりやすい。

 例えば若い層にコミュニケーションをとりたい時はLINEやYouTubeを思い浮かべがちだ。しかし、実際のところ18~34歳の約2,000万人がYahoo Japanを利用している。反対に50歳以上でもLINEやYouTubeの利用者数はそれぞれ約3,000万人だ。果たして、ここを無視していいだろうか?

※クリックすると拡大します

 「広告を配信する際、活用したいメディアで本当にターゲット層にリーチできるのか、ターゲット層の人々が月に何回メディアを利用しているのか、などを正確にデータで把握することが必要です」(高木氏)

 次にテレビとデジタル活用ではどうか。メディア視聴の分散化については先に触れた通りだ。テレビコンテンツをデジタルで視聴したり、デジタルコンテンツをテレビで見たりと、非常に複雑な状況になってきている。

 その中でも例えばCTVで広告を出した際には、1インプレッションは1人の視聴なのか、共視聴なのかを考える必要がある。また、デジタルのデバイスに関しても、5つの異なる識別子でインプレッションが出ていても、実は見ているのは1人の人物かもしれない。

 そのため、ターゲットに広告が届いたかを横断的に把握し、人ベースで何人がその広告を何回見てくれたのかを知る必要がある。

 「マーケターが会社の中で説明責任を持ち、どのメディアの効果が高かったのかを説明するには、メディアを横断的に計測した第3者機関による透明性のあるデータの活用が大切です」(高木氏)

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この記事の著者

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/04/26 08:30 https://markezine.jp/article/detail/38735

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