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マーケとプロダクトは更に近い関係に!プロダクトアナリティクス大手のAmplitudeがCDPを発表

ユーザーの15%がマーケター 「Amplitude CDP」も発表

 Amplitudeは会期中、複数の発表を行った。1つ目はデータクラウドを提供するSnowflakeとの提携拡大だ。2社はすでに提携関係にあり、Amplitudeのイベントデータのエクスポートなどを実現しているが、今回Snowflakeのデータ共有機能をAmplitudeに統合、Snowflake顧客はAmplitude上でユーザー行動などの洞察を得られるという。

 共同創業者で最高アーキテクトを務めるJeffrey Wang氏は、Snowflakeとの共同顧客の比率については明かさなかったが、「新たにデータプラットフォームを構築する企業はSnowflakeを利用するケースがほとんど。提携によりメリットを受ける顧客は多い」とインパクトの大きさを表現した。

Amplitudeの製品アーキテクチャを示す最高プロダクト責任者のJustin Bauer氏
Amplitudeの製品アーキテクチャを示す最高プロダクト責任者のJustin Bauer氏

 プロダクトアナリティクス分野では、A/Bテストなどの機能を含む「Amplitude Experiment」で、「Experiment Results」も発表した。製品チームとデータチームが、セルフサービス形式で実験分析機能を使って目標設定などで協業しながら、プロダクトについて正しい意思決定を行うことができるという。

 だがAmplifyのビックニュースは、「Amplitude CDP」と「Campaign Reporting」の発表だろう。これにより、重なりつつあったマーケティング領域に正式に拡大をすることになる

 Amplitude CDPは、Amplitudeがこれまで提供してきた顧客データの収集、管理などの機能を正式に製品化したもの。同社の基本方針は「Bring Your Own Data」で、外部CDPとの接続も用意しているが、今回自社製品ポートフォリオ内でCDPを提供する背景として「高品質なユーザーデータなしにはアナリティクスは得られない。だが、高品質なCDPは顧客の課題だった」と最高プロダクト責任者のJustin Bauer氏は説明する。そのようなことから、Amplitude CDPの最大の特徴は、「データガバナンスを最優先させたインサイト主導型のCDP」という。

 Amplitudeに組み込まれた形で提供するため、データの収集、データのガバナンス、データのモニタリング、データのパイプラインなど複数のツールを利用する必要がない。早期顧客としてAmplitude CDPを利用するThrive MarketのCTO、Sasha Siddhartha氏は「CDP税」を払う必要がなくなった、と述べた。なお、Amplitude CDPは月間1,000万イベントまでは無料で提供する(提供は2022年後半予定)。

Amplitude CDPの画面。顧客のオンラインとオフラインのアクティビティを俯瞰できる。65のコネクタを用意、次の3ヵ月でさらに30のコネクタを追加予定だ。
Amplitude CDPの画面。顧客のオンラインとオフラインのアクティビティを俯瞰できる。65のコネクタを用意、次の3ヵ月でさらに30のコネクタを追加予定だ。

 Campaign Reportingはセルフサービスでファネル全体を可視化できるもので、「マーケティングチームとプロダクトチームが一緒になって、成長のために必要なことをデータに基づいて話すことができる」とBauer氏。

 ユーザーがどの獲得チャネルから流入しているのかなどを把握できるキャンペーンリポート機能、売上などの成果とユーザー行動の関連付けを行うメトリクス、複数の指標を使って分析するなどのことができるデータテーブルを備える。

 実際に、Amplitudeのパワーユーザーの15%はマーケターとBauer氏、WalmartやBurger Kingはマーケティング目的でAmplitudeを導入しているという。

 CEOのSkates氏はこの分野を独占するGoogle Analytics、Adobeなどに対して自信を見せる。講演終了後の個別取材で「Google AnalyticsもAdobeも、前世代のプラットフォームだ」とし、「マーケティングサイドとプロダクトサイドの両方から見たいと思っている。Amplitudeは1製品でこれを満たすことができる」と述べた。

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末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーライター

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MarkeZine(マーケジン)
2022/06/02 08:00 https://markezine.jp/article/detail/39108

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