クリエイターの時代を体現するTikTok
──TikTokの公式アカウントを作る企業も増えてきました。企業がTikTokを活用するときのポイントを教えてください。
天野:アパレルやコスメ、飲食の業界は、比較的早い時期からTikTokを活用しています。2019年頃には、ハッシュタグチャレンジなどで、ユーザーと一緒に盛り上がる共創的なキャンペーンを展開するトレンドがあり、現在もTikTokの代表的な活用方法です。また、TikTokクリエイターとの協業も重要な活用方法です。クリエイターの視点とクリエイティビティを反映した動画で商品を発信するのは新鮮ですし、見ている人にとっても信憑性が高くなります。
TikTokには、ブランドとTikTokクリエイターが直接コミュニケーションできるTikTok Creator Market placeがあります。さらには、MCNと呼ばれるクリエイターエージェンシーも活況を呈しています。クリエイターが主役の時代は加速します。それを踏まえ、TikTokをクリエイターと協業する場だと捉えることは大事だと思います。
──広告メニューも、インフィード広告だけでなく、起動時に表示されるTopViewが登場し、活用用途が広がっています。
天野:ユーザー数の増加と視聴体験の良さから、TikTokは広告メディアとしての存在感も高まっています。認知獲得を目的としたプランニングに、テレビやYouTube、Twitterに続いて、TikTokが入ってくるほどです。TikTokの広告は、UXを損なうことなく、ストレスを感じにくい配信設計が特徴です。ユーザー自身も新しい情報と出合うことを期待しているので、TikTokらしい広告体験が用意できると、重要なコンタクトポイントになります。ゲームアプリなどパフォーマンス系の広告出稿も根強いですが、金融や不動産、人材などの業界からの出稿も始まっています。クライアントの課題に応じたソリューションが試されている印象がありますね。
たとえば、ある金融系クライアントは、若年層向けの口座開設のキャンペーンをTikTokで展開しました。クリエイティブで訴求し、ランディングページへ遷移してコンバージョンするという、認知から獲得までのフルファネルをTikTok内で完結しています。様々な業種でTikTokへの広告出稿は当たり前になるでしょう。新しいサービスに取り組むことは先行者利益があり、早めにスタートした分だけノウハウが蓄積され、ファンも増えやすくなります。盛り上がりつつある波に乗ることは大切です。