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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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編集長インタビュー

その広告はジェンダーバイアスに囚われていないか? 米SeeHer代表に聞く、GEMスコアと改善方法


高いGEMスコアとブランドの売り上げは比例する

——GEMスコアが低い場合、どのように改善していけばいいのでしょうか。

コリンズ氏:私たちは現在その分野の研究も進めています。一例を挙げると、反ステレオタイプな役どころを女優さんや俳優さんに演じてもらうことですね。また、脇役になっている女性をセンターステージに置いた演出に変えるという工夫もあります。すると「こんな表現の仕方もあるのか」と新しい発見につながります。

 また、広告のストーリーがしっかりしている、伝わりやすい広告というのは「男女平等に適っている」と受け入れられやすいというデータもあります。私たちはそうしたガイドラインのような知見をもっているので、それをマーケターや広告主に伝え、広告の質を向上していく活動に取り組んでいます。

 制作中に改善することもできますし、既に制作された広告にも反映できるようになっています。特に制作中の広告に対するGEMスコアの適用はかなり注目されていて、多くのお問い合わせをいただいています。私たちもGEMスコアを適用する範囲を一層広げ、SEEHERのミッションを達成していく所存です。

——ブランドが高いGEMスコアを持つことで、どのようなベネフィットがあるのでしょうか。

コリンズ氏:高いGEMスコアを持つクリエイティブを制作したブランドは、売り上げも伸びているところがほとんどです。それ以外の部分でいえば、ブランドの評価や印象を高めるということが大きいですね。また「消費者は自分たちのブランドをどう見ているのか」ということが客観的に出てくるので、ブランド内部のカルチャー変化につながったり、GEMスコアを活用することで「社会を変えるドライバーになる」という印象を市場に与えたりという効果もあります。

——どのようなブランドが高い評価を得ているのでしょうか。

コリンズ氏:現在私たちはIRIという研究機関と共同でGEMスコア管理をしていますが、これによると仏ロレアル社や米ジョンソン・エンド・ジョンソン社はとても高いスコアです。通常、GEMスコアを外部に公開することはありませんが、これらの企業はGEMスコアを発表することで、社会に対してインパクトを与え、成長できるということを示したいという意図の下、公開しているそうです。

アジア太平洋の女性像分析にも取り組んでいく

——今後のSeeHerの取り組みを教えてください。

コリンズ氏:私たちは様々なカテゴリーの女性像に対して研究を続けていますが、今回新たに11月にアジア太平洋の女性像に関するリサーチ結果を発表します。これはMeta(旧・フェイスブック)やシャッターストックなど大手メディア企業が参加しているプロジェクトで、今後もアジア太平洋の女性像のリサーチは進んでいくと思います。

 これは私も個人的に注力しているプロジェクトで、単に「アジア太平洋」で女性像を分析するのではなく、「日本人」だったり、「中国人」のなかでも「養子に出された人たち」など細分化してロールモデル像の分析を進めています。

——米国に比べると日本はまだダイバーシティ後進国ですが、これからの取り組みに対してアドバイスをお願いします。

コリンズ氏:先ほど紹介したように、私たちはGEMスコアを通じて、日本のCMの評価を始めています。そうしたベースを既に作っているので、これからこのGEMスコアを活用したいという企業のマーケターがいらっしゃれば、ぜひメッセージをお寄せください。一緒に一歩踏み出していきましょう。

2022年10月20~21日に開催するad:tech tokyoのKeynoteに、ANA(全米広告主協会)/SeeHerSeeHerのChristine Guilfoyle氏が登壇します。
SeeHer:広告とマーケティングにおけるジェンダー・バイアスを排除し、ビジネスの成長を促進するには
日時:10月20日(木)13:00~13:40
ad:tech tokyoの申し込みはこちらから!

 

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

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MarkeZine(マーケジン)
2022/10/13 09:06 https://markezine.jp/article/detail/40231

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