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ライブ配信を文化に!毎日数万人のクリエイターが配信する急成長中の「TikTok LIVE」とは?

 群雄割拠のライブ配信市場。主要なプラットフォームも軒並みライブ配信機能を搭載している。そんな中「TikTok」のライブ配信機能「TikTok LIVE」は、ギフティング(編集部注:投げ銭)の額が1年で約15倍増加。国内の主要ライブ配信サービスの中でギフティング額1位(出典:data.ai)を記録するなど、急成長を遂げている。今回は、TikTok LIVEの日本運営責任者を務める孫曄氏を取材。TikTok LIVEの魅力や特徴、今後の展開を聞いた。

毎日数万人のクリエイターが配信

——まずは孫さんの自己紹介をお願いします。

 新卒で商社に入社し、ライブゲーム配信プラットフォームの立ち上げをはじめとする事業に携わった後、2021年10月にTikTokへジョインしました。現在はTikTok LIVEの日本運営責任者として、国内のTikTok LIVEを統括しています。

TikTok Japan TikTok LIVE運営責任者 孫曄氏
TikTok Japan TikTok LIVE運営責任者 孫曄氏

——TikTok LIVEとはどのようなものなのか、改めて教えていただけますか?

 TikTok LIVEは、TikTokに実装されているライブ配信機能です。クリエイターとユーザーがリアルタイムに交流できるほか、その場でコミュニティを形成することもできます。

 実装から2年以上が経ちましたが、おかげ様で多くの方々に利用していただいています。日本ではデイリーで数万人のクリエイターが配信しており、雑談や歌、ゲーム、イラスト、お笑い、マジックなど配信内容は様々です。年代・性別を問わず、幅広い方々にお楽しみいただいています。

——各社がライブ配信プラットフォームを運営し、各種プラットフォームにもライブ配信機能が搭載されていますが、TikTok LIVEならではの特徴を教えてください。

 主な特徴を3つ紹介します。1つ目はTikTok独自の「レコメンドシステム」です。TikTokの「おすすめ」フィードで、ユーザーの興味に合わせて厳選したライブを表示するため、好きなクリエイターや、自分にとって居心地の良いコミュニティを見つけやすくなっています。一方で、ユーザーの好みから少し外れたコンテンツをあえてレコメンドし、セレンディピティを生み出すこともあります。また、TikTokはグローバルなプラットフォームでもあるため、TikTok LIVEではレコメンドシステムを通して海外のクリエイターやユーザーとも出会いやすいと思います。

ユーザーとのタッチポイントが多い分ファンがつきやすい

 2つ目は「インタラクティブ性」です。クリエイター同士、あるいはクリエイターとユーザーのコラボ機能を備えている点は大きな強みです。18歳以上であれば、ギフティング(編集部注:投げ銭)を送ることも、受け取ることもできます。クリエイターとユーザーが一緒にコンテンツを作り上げる共創型のクリエイティブと言えるでしょう。

 そして3つ目は、クリエイターにファンがつきやすいこと。TikTokというプラットフォーム自体が世界で10億以上のMAUを抱えているため、TikTok LIVE内でコンテンツを提供すれば、レコメンドシステムを通じてそのコンテンツが好きそうなユーザーに届くからです。オーガニックファンがつきやすい仕組みになっています。

 また、TikTokがライブ配信のためだけのプラットフォームではないことも影響していると考えます。TikTok内ではライブ配信以外のコンテンツも発信できるため、様々な形で幅広いタイプのユーザーにリーチすることが可能なのです。実際、多くのクリエイターから「TikTok LIVEを始めたらTikTokのフォロワー数が増加した」という声が寄せられています。元々ほかのプラットフォームでライブ配信をしていた方はもちろん、未経験でチャレンジする方も参入しやすい点がTikTok LIVEの特徴です。

圧倒的なアクティブユーザー数とギフティング額

—— TikTokというプラットフォームが持つ強みの一つに、アクティブユーザー数の多さがあります。TikTok LIVEとして、アクティブユーザー数を増やすために取り組んでいる施策があれば教えてください。

 私たちが特に力を入れているのは、クリエイターのサポートです。クリエイターが多様で高品質なコンテンツを生み出すことができれば、ユーザーは満足し、その結果としてアクティブユーザー数が増えていくものだと考えています。

——アクティブユーザー数に加えて特筆すべき点は、ギフティング額の高さです。data ai社のレポートによると、国内の主要ライブ配信サービスの中でTikTok LIVEのギフティング額が最も高いようです。ギフティングを促進するために工夫していることがあれば教えてください。

 ギフティング額は2021~2022年で約15倍と急成長しています。この結果にも、クリエイターへの惜しみないサポートが影響していると思います。なぜならギフティングは、クリエイターを「応援したい」と思ったり、クリエイターのコンテンツに支払う価値を見出したりしたユーザーの気持ちの表れだからです。TikTok LIVEは収益化しやすいため、ライブ配信のみで生計を立てているクリエイターは数多くいらっしゃいます。

4半期ごとのTikTok LIVEギフティング成長率
4半期ごとのTikTok LIVEギフティング成長率

——TikTokというプラットフォームにいるユーザーのボリュームと、クリエイターに対するサポートの掛け算で、ギフティングの金額が必然的に高まっていったというわけですね。

クリエイター向けの教育プログラムが充実

——クリエイターのサポートに力を入れているとのことですが、具体的なサポート内容を教えてください。

 まずはクリエイター一人ひとりのキャラクターや強みを引き出し、最適なクリエイティブを一緒に探っていきます。たとえば音楽系のクリエイターの場合、「技術的に歌が上手なら人気が出る」という単純なものではありません。TikTok LIVEでは親近感や共感など、ユーザーの心を打つ要素が必要なのです。必要な要素はクリエイターによって異なります。時には1時間以上かけて話を聞いたり、本人の配信を直接見に行った上でアドバイスしたりすることもあります。

——一人につき1時間以上のヒアリングは、他ではあまり聞かないレベルの手厚さですね。

 そうかもしれません。照明の使い方やコンテンツの構成といった技術的な面だけでなく、ユーザーとコミュニケーションをとる際に気をつけるべきポイントなどもお伝えしています。また、初心者から上級者まで一人ひとりのレベルに合わせてライブ配信が学べるアカデミー事業も展開し、様々なタイプのクリエイター向けにカスタマイズしたカリキュラムを提供中です。

TikTok LIVE運営チームがクリエイター向けに提供している教育カリキュラム(現在は一部クリエイターのみが対象)の一例
TikTok LIVE運営チームがクリエイター向けに提供している教育カリキュラム(現在は一部クリエイターのみが対象)の一例

 教育的な支援だけではありません。たとえば、ゲームクリエイターにはゲームパブリッシャーと協働する機会をつくるなど、一人ひとりの目標や夢に沿ったサポートも行っています。加えて、クリエイターをマネジメントするエージェンシーのサポートにも、同じくらい力を入れています。エージェンシーの組織構造のつくり方や事業計画の立て方に伴走するなど、支援内容は幅広いです。

TikTok LIVEクリエイターを「なりたい職業」1位に

——孫さんが考える、人気クリエイターの共通項を教えてください。

 前提として、TikTok LIVEでは誰もが有名になるチャンスを持っています。押さえておくべきポイントを知ることで、その可能性はぐっと高まるはずです。ポイントは、ご自身のキャラクターや特技をきちんと理解して、押し出していくこと。そのために私たちのサポートを活用していただきたいです。また、根気強さも大切です。クリエイターとして活動していると、様々な壁にぶつかります。トライアンドエラーをし続けられるクリエイターは、早く成長する傾向があります。

——TikTok LIVEの今後の展望をお聞かせください。

 TikTok LIVEをさらに広めることで、ライブ配信を文化にしていきたいです。社内のメンバーとは「学生のなりたい職業ランキングで『TikTok LIVEクリエイター』を1位にしたい」と話しています。そのためには、クリエイターとコンテンツの数と多様性、さらにクオリティの向上が不可欠です。クリエイターやエージェンシーへのサポートを、より強化していきます。

 また、クリエイターが長く活動できるようマネタイズの体制も整えています。既にあるギフティング機能はもちろん、来年以降はサブスクリプション機能も強化する予定です。ゲーム会社のご協力の下、広告モデルも試験的に取り入れています。今後も多種多様な収益ポイントを提供するので、クリエイターにはご自身に合った方法を活用いただきたいです。

多様な収益モデルでクリエイタービジネスを拡大

——最後に、これからTikTok LIVEの活用を検討する読者や、クリエイターを抱えるエージェンシーの担当者に向けてメッセージをお願いします。

 TikTok LIVEでは「ゲーム」と「音楽」を強化領域として掲げています。ゲーム領域ではゲームパブリッシャーとのタイアップやゲームイベントを、音楽領域では音楽レーベルとの提携や有名アーティストのコンサート中継を積極的に実施する予定です。この領域にご興味のある方は、どんどん参加していただきたいです。

 エージェンシーに対しては、所属クリエイターの収益とは別にTikTok LIVEからサポートの対価をお支払いするスキームとなっています。また、所属クリエイターが有名になって多くのフォロワー数がついた暁には、広告案件の可能性も見えてくるでしょう。ギフティングやサブスクリプションのレベニューシェアだけではないビジネスの広がりがTikTok LIVEでは見込めると思います。

 ライブ配信市場は今後ますます成長していきます。参入障壁の低さを背景に、クリエイターの数も増えていくでしょう。クリエイターやエージェンシーと一緒にマーケットを盛り上げていきたいです。

「TikTok LIVE ALL STARS 2022」開催決定!

今年TikTok LIVEで活躍したクリエイターの表彰と、パフォーマンスの披露を行うイベント「TikTok LIVE ALL STARS 2022」を12月27日(火)に開催します。当日はTikTok LIVEにてイベントの様子を生配信!ぜひご視聴ください。

 

「TikTok LIVE ALL STARS 2022」概要
■開催日時:2022年12月27日(火)17:30~(予定)
■視聴方法:TikTok LIVE Japan公式アカウントから視聴いただけます

詳細は特設サイトをご覧ください

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/12/20 17:14 https://markezine.jp/article/detail/40682