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【特集】2022年の急上昇ブランド~本質的なブランディングの核に迫る~

信念であるパーパスを体現し、ブランド・お客様・社員を繋げていく。SK-Ⅱに学ぶ、ブランド体験の作り方

CX向上を目指し、様々な施策を展開

――SK-Ⅱは、インターブランドジャパンが発表した「顧客体験価値(CX)ランキング2022」で、初めてランクインを果たしました。CX向上に向けて、どのような取り組みを?

 SK-Ⅱに限らず、プレステージブランドの化粧品は、百貨店のカウンターがお客様との大切な接点です。SK-Ⅱのカウンターでお客様に楽しいお買い物体験をしていただけるよう、ウェルカミングな接客環境を作りたいと考え、この数年で様々な施策を展開してきました。具体的には、美容部員の育成というソフト面での施策と、テクノロジー活用による店舗接客のDXというハード面での施策があります。

 まず美容部員の育成では、ビューティカウンセラーと呼んでいた美容部員の名称を、2019年からビューティインフルエンサーに変更しました。若い世代のお客様は特に、YouTuberや美容系インスタグラマーなどインフルエンサーの影響を大きく受けています。ならば、私たちも美容部員の在り方を大胆に変えて、カウンセリングだけに留まらず、ポジティブにインフルエンスしていく存在になっていこうと考えたのです。これまで美容部員の育成では、美容や肌、製品の知識を深めることを目指してきましたが、現在はそうした基礎知識に加えて、美容領域に限らない幅広い領域の知識を教育するほか、お客様をポジティブにインフルエンスするためのコミュニケーションスキルを育むトレーニングも行っています。勉強会には、著名なYouTuberやインフルエンサーの方々、ソーシャルメディアの運営に詳しい企業の方をお呼びすることもあります。コロナ禍以前は、2泊3日で合宿を開催することもありました。美容部員の名称だけでなく、育成を含め接客の在り方から見直したことがソフト面での大きなアップデートです。

 次にハード面では、AIを用いた非接触型のカウンセリング機械「マジックスキャン」を開発し、導入を進めています。従来のカウンセリングでは、美容部員がお客様の肌に機械を当てながら肌の様子を見ていましたが、マジックスキャンではお客様に機械の前に座っていただくだけで、直接触れることなく肌状態の測定ができます。開発そのものは2018年頃から開始しており、徐々に店舗への導入を進めてきました。コロナ禍に入って非接触型のカウンセリングのニーズが一気に高まったことを受けて、小型化の開発も含め導入のスピードを上げており、2023年のはじめには全国のSK-Ⅱカウンターで導入が完了する予定です。接客のDX は、「商品を買わないといけないのではないだろうか?」「自分がカウンターに行ってもよいのだろうか?」といった、お客様がカウンターを訪れる際に感じるハードルを下げることにもつながります。試行錯誤しながらも、顧客体験の向上に向けた取り組みにはとりわけ注力してきたので、今回CXランキングにランクインできたことを非常に嬉しく思っています。

――CXランキングの調査では、SK-Ⅱを支持する男性層が多いことがわかっています。これについてはどう思われますか?

 実際に、SK-Ⅱのカウンターでも男性のお客様は増えています。男性美容市場の伸びが著しいという背景は事実としてありつつ、男性からもSK-Ⅱがスキンケアブランドとして認知されているのは嬉しい限りです。また、自らの意思を持って運命を切り開いていくという #CHANGEDESTINYの普遍的なメッセージが、男女問わず伝わっていることも感じます。ダイバーシティに取り組む際、性別に関係なくどんなお客様にもウェルカミングな接客ができるように、多様性のある接客、顧客体験を作っていきたいですね。

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SK-Ⅱの戦略の柱「3つのP」を軸に、唯一無二のブランドへ

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/12/22 09:30 https://markezine.jp/article/detail/40699

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