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Z世代戦略のカギはヒアリングと言語化の徹底 カンロの「若者の飴離れ」対応策

Z世代との共創で取り組む「直感のヒアリングと言語化」

──御社では現役女子高校生を「キャンディディレクター」として起用しています。具体的にはどのようなことを行っていますか?そこから得られた気づきも教えてください。

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キャンディディレクターに就任した、神谷侑理愛氏(左)、大塚萌香氏(中央)、市ノ瀬アオ氏(右)

 彼女たちとはZ世代における原体験となりうる新しい飴の共同開発を行っています。具体的には月に一度企画会議を行い、商品企画コンセプトのブラッシュアップからネーミング、パッケージデザイン、コミュニケーションの設計まで、ディレクターとしての意見を取り入れるようにしています。

 もちろん彼女たちにすべてを任せる訳ではありません。まず当社の中で「飴の強みはなにか」「10年後、飴をどういう存在にしたいか」などの問いからカンロの飴の存在意義を定めました。そして、それを実現するために、飴づくりのプロである私たちが、彼女たちの生活にキャンディをどのように取り入れてもらいたいのかを明確に伝えました

 彼女たちにその想いをぶつけて、受け入れられなかった場合はそこに何が必要かをさらに聞いています。企画会議という限られた時間の中で一緒に作るため、当社側で常に問いを用意し、その意見の中に隠れたヒントをさらに探り、言語化するというステップを大切にしてきました。また、彼女たちとの信頼関係をしっかり作ることで、調査だけでは出てこない、深層心理を引き出すことを心掛けています。

 対話を進めていく中で私たちが思っている以上に、彼女たちは心の脆さや繊細さを持っており、心のつながりや愛情、安心を求めていることがわかりました。さらに商品を他の人とのコミュニケーションを育むアイテムとして捉えているとも強く感じました。「これなら友達と分け合って楽しめる」「プリクラに使える」「この名前は言いたくなる」といった意見を聞くことも多く、商品を自分たちの生活の中に取り込むのに長けていると思います。

 だからこそ、彼女たちが良いと感じた事柄をしっかりと言語化し、彼女たちの望む世界観をロジックで一緒に構築していくことが重要ですね。

情緒的価値の創出を目指して取り組んだ「受験生応援」

──新たに行うZ世代向けの施策を教えてください。

 12月7日から「ピュレグミ おまもり梅」に関する施策を新たにスタートしました。この商品は通常のピュレグミと異なり、受験生をメインのターゲットにしています。商品名のままパッケージデザインも「お守り」をモチーフにし、グミの形についても春の象徴の「梅の花」型と、来年の干支で「幸せの象徴」でもある「うさぎ」型の2種類をシークレット型として取り入れています。グミの色も縁起の良い紅白カラーにしました。

 今までもピュレグミは勉強のお供として気分転換や眠気覚まし、小腹を満たすために用いられていました。元々心理的距離が近いお菓子に、ストレスや不安に寄り添う情緒的価値を付加することで、受験生を応援できるのではないかと考え、受験生応援プロモーション実施しました。

次のページ
より広い視野を持ってZ世代と届ける「等身大のメッセージ」

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この記事の著者

土屋 典正(編集部)(ツチヤ ノリマサ)

法政大学法学部を卒業。MarkeZine編集部に所属。

 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/12/26 08:00 https://markezine.jp/article/detail/40766

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