健康志向の高い人を3パターンで解説
──健康志向の高い人はどういった方が多いでしょうか。
小林:私は大きく3パターンあると思っています。
1つ目は、「自分って不健康だな」と思うことの積み重ねから、不健康を自覚し、健康に目覚めるパターンです。
このパターンの人は、たとえば、夜中までSNSを見てしまった、仕事の疲れが抜けない、夜なかなか寝つけない、運動してない……など漠然とした不健康感を自覚し、その不健康意識から抜け出せずにいます。そして、どうにかしたいと試行錯誤した結果、健康志向の高い行動をとるようになるのです。この層はコロナ禍で裾野が広がりました。
2つ目は、30代から50代の都内で働く女性によく見られる傾向ですが、自ら積極的にメディアへ健康に関する情報を取りに行くパターンです。今一番ウェルネス関連の商品・サービスを支えてくださっている層だと思います。週に1回以上ヨガなどの習い事をしているなど、健康的な体験を様々な場面で取り入れたいというニーズがあり、「𝐓𝐇𝐄 𝐒𝐂𝐄𝐍𝐄」にいらっしゃるお客様の目的としても多いです。
3つ目が、人が集まらない未開拓で自然が残っている場所に行くことで健康になれると考えているパターンです。このパターンは富裕層の方々に多く、「人が多いところには行きたくない」「定番の場所にはもう行き飽きた」といった声がよく聞かれます。この考えの裏には、深い休息を求めるニーズがあり、「自然の多い場所→深い休息ができる→健康になれる」という思考になっているのです。

──開始当初はかなり苦戦されたと伺っていますが、どういった点に課題を感じていましたか。
小林:リゾート業界は有名なリゾートホテルさんや歴史のあるホテルや旅館など競合が多く、レッドオーシャンな業界です。当時は、本物のプライベートと自然空間を強みとして打ち出していましたが、差別化する要素が少なかったことが課題でした。
リゾート施設でチェックされるポイントは、サービス力やハードの面なのですが、大手さんと比べると限られた資金の中、同じ指標を用いて差別化していくことに限界を感じていました。
──こうした状況をどのように打開したのでしょうか。
小林:リゾートや高級ではなく、健康領域に特化するリブランディングを行った点です。当社の事業の軸であり得意領域の健康とホテルを組み合わせることで、ブルーオーシャンにもっていけたのが大きかったです。