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MarkeZine Day 2025 Retail

家計簿発!実購買データから読み解く消費者インサイト

コロナ禍で狭まる、生活者の買い物エリア 支出項目×生活者属性から傾向を探る

コロナ禍の影響が大きいのは「一人暮らし」「若年層」

 「性年代」「家族構成」「職業」それぞれの属性でのグループ間の差は、「生活における行動範囲の広さ」「行動の自由さと必然性」の違いによって出ていると考えられる。

 グループ1(住んでいる地域を中心に買い物をしている生活者)として浮かび上がるペルソナは、「ファミリーで暮らしている40代以上の子育て主婦」となる。特徴として、子育てにより行動範囲が限定的になることがあり、年代が上がるほど行動範囲が狭くなる傾向にある。

 一方グループ2(住んでいる地域外での買い物が中心の生活者)として浮かび上がるのは、「一人暮らしをしている30代会社員」または「一人暮らしをしている20代以下の学生」だ。会社や学校への移動により必然的に行動範囲が広くなっており、外出について一人で決められる裁量が大きい傾向がある。

 これらの属性別の違いを踏まえると、コロナ禍による買い物行動の変化においてより直接的な影響を受けたのは、元から行動範囲が広かったグループ2だと考えられる。以降は、グループ2の買い物行動の変化について掘り下げていく。

地域内における「エンタメ」「交際費」の支出が増加

 さて、グループ2(住んでいる地域外での買い物が中心の生活者)の買い物行動は、実際にコロナ禍でどのように変化したのだろうか? ここでは、グループ2の属性で特徴的であった「男性・30代以下」「女性・20代以下」にそれぞれフォーカスしたい。

 図表6は、「居住地域内での買い物回数」について主要な支出項目の2019年(コロナ禍前)~2022年(コロナ禍以降)の変化率を示したものである。合計を見ると両方とも増えており、全体として「地域内」で買い物行動をする傾向が強まったことがわかる。

 その中でも、属性によって大きな変化がある支出項目には違いが出ている。男性・30代以下で特に増えている支出項目は「エンタメ」となり、女性・20代以下で特に増えている支出項目は「交際費」だ。

図表6:「居住地域内での買い物回数」について、2019年~2022年の主要な支出項目の変化率
図表6:「居住地域内での買い物回数」について、2019年~2022年の主要な支出項目の変化率

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レジャーから読書へ買い物行動がシフト

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この記事の著者

亀岡 洋介(カメオカ ヨウスケ)

 2001年外資系アパレル通販会社でデータ分析、レポーティング、計画管理業務に従事。2019年よりロコガイド社に入社し、ビジネス企画開発に所属し、トクバイサービスにおけるデータ分析~分析を通じた改善提案を行う。2021年10月よりZaimを兼任し、データ分析、データを活用したプロダクト開発に従事。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/02/03 08:00 https://markezine.jp/article/detail/41073

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