TOP3ブランドに対するオピニオンリーダーの評価や直近の動き
では、TOP3ブランドに対するオピニオンリーダーの評価、Leadスコアはどうなっているのか。
Leadスコア評価指標を図3に示して確認するとBaseスコアとほぼ同様の形をしている。つまり、TOP3ブランドについては、オピニオンリーダーも生活者全体と同様の評価を行っており、ブランドごとで明確に差別化要素が固まっているといえる。ただしオピニオンリーダーによる評価のほうが、3ブランド間の差はやや小さく、スターバックスの「パフォーマンス」がセブンカフェに迫っていたり、雪印コーヒーの「コミュニティ」「エンゲージメント」がスターバックスと同程度になっていたりする。

出所:NBI2023(Web調査、2023/2)
続けて、直近のブランド力の動きとして、図4で月別にTrendスコアを見ると、TOP3ブランド間の順位変動はほぼなく、セブンカフェ、雪印コーヒー、スターバックスの順でスコアが高い。スターバックスはテレビCMをはじめ広告施策をほぼ実施していないため、TOP3の中で低位となるのは妥当だ。それにもかかわらず、全体で見ると安定して7~10位付近を保っている。これはスターバックスが持つ「コミュニティ」「エンゲージメント」の高さを反映しており、同社のブランド力の特異性を示している。
また、雪印コーヒーは2022年3月の新商品発売のタイミングで順位が高まっていることから、話題性を保つ工夫があることで「親しみ」「愛着」などのイメージが保たれていることがわかる。

図4.上位3ブランドのTrendスコア
出所:NBI2023(Web調査、2023/2)
圧倒的な知名度のボス、ジョージア、品質の高い製品の提供でロイヤルティを高めるマウントレーニア
次に4~6位でBaseスコアとNBIの比較で順位の変動が見られたボス・ジョージア・マウントレーニアについて、Baseスコア・Leadスコア・Trendスコアをそれぞれ分解して確認し、順位変動の要因を探る。
まず図5にてBaseスコアを見ると、ボスとジョージアは「セイリエンス」のスコアが非常に高く、想起率が高いといえる。また、「1年以内購入」もマウントレーニアを大きく上回る。
要因としては、ボスとジョージアが安定してテレビCMでの出稿を重ねており、圧倒的な知名度を誇っていることが考えられる。その反面、レゾナンスのスコアは目立って低い。特にジョージアの偏差値は50を大きく下回っている。これは、認知率が非常に高い一方で、ユーザー評価には不安を残すことを示唆する。
一方、マウントレーニアは正反対の傾向で、認知率や1年以内購入率は高くないが、「ジャッジメント」および「レゾナンス」のスコアはその他2ブランドを引き離している。タイプとしては一番人気の「セブンカフェ」に近く、高品質の製品を提供することでロイヤルティを高め、継続ユーザーを掴んでいるといえる。

出所:NBI2023(Web調査、2023/2)