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MarkeZine Day 2023 Spring

データ活用で大切なのは「ユーザーが嫌がることはしない」。サンリオが実現した、ファン目線の施策とは

ユーザーが喜ぶ体験と顧客分析を両立させた施策を紹介!

 Sanrio+で重要な役割を担っているのがクーポンだ。割引が受けられるクーポンに加えて、「サンリオカフェ限定」「デザイナーのサイン会申し込み」など、特定の状況で使えるクーポンも用意している。

 また集めたスマイルを支援団体に寄付できるクーポンも用意しており、同社の理念を体現するとともに、溜まったスマイルを景品には変えられない時の使い道としてユーザーの間でも好評だ。

 クーポンでも同様にデータを活用しており、発行されたクーポンの種類や利用率を可視化している。Sanrio+を通じてユーザーとブランド・キャラクターとのエンゲージメントを強めてもらうために、このようなデータを用いたユーザー行動の可視化は不可避だと田口氏は示した。

 ショップやサイン会はリアル体験となるため、田口氏はリテール部門・物販・ピューロランドのメンバーなどと定例の会議を行い、一緒に施策の検討をしているという。特に物販とは週単位で会議を実施しているそうだ。

直近購買がなくても、長くブランド接点を持つファンを大切に

 田口氏は、ファンマーケティングについてのサンリオの考えも説明。「ファンとはどのような存在なのかについて、社内でよく議論しています。私は、ファンとはロイヤリティの高い方だと思っていますが、(サンリオキャラクターが好きという)気持ちの上でのロイヤリティの高さが、購買やイベント参加などの行動に出る方と出ない方がいます」と述べた。

 たとえば可処分所得が限られる若い人の場合、なかなか購買などの行動に現れにくい。だが、当然その人たちもファンに含まれる。心理的ロイヤルティが高いが行動的ロイヤルティにつながっていないファン(ライトファン)は「コアファン予備軍」であり、「まず好きになってもらい、それが行動につながり、ファンになっていく」のだという。

 したがって直近購買から期間が空いたり、売り上げには直接つながっていなかったりする場合であっても「サンリオが大好き」というユーザーを軽視することは、将来的にコアファンになる層の体験を損ねることになってしまう。そのためにきちんとサービスを提供し、ブランドやキャラクターとつながりを持ち続けてもらうことが大切だと田口氏は説明した。

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 実際に店舗最終購買日とアプリ最終起動日のクロス集計をしてみたところ、直近18日以内にアプリを起動していた会員は、最終購買日から58日以上経過していても購買割合が平均より高いことがわかった。このデータにより、Sanrio+を通じてサンリオと触れ合ってもらう、長くつながりを保ってもらうことが重要だと改めて認識したという。

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休眠顧客の心を再び近づけるカギとは?

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この記事の著者

末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーライター

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/05/29 08:00 https://markezine.jp/article/detail/42086

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