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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究

潜在層に届いたのは“コンセプトと一貫した体験” 「チルアウトの湯」企画者に聞く、設計の裏側

お風呂とのコラボは、コンセプトの正しい認知を獲得するための手段

 「お風呂」と「飲み物」。後から聞けば納得感のある組み合わせだが、初めから結びつけるのは難しそうな内容だ。では、Endianが今回温浴施設とのコラボに至った背景は何だったのか。

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 まず、EndianはCHILL OUTがマッチングする場所を探すべく、実証実験やテストを繰り返し実施した。そして様々な施設・業種の方たちとのコラボレーションの中で、関心度が特に高いものとなったのが「温浴施設」だったという。

 「温浴施設だと、大浴場を出た後に、牛乳やコーヒー牛乳を飲むカルチャーが既に存在しています。しかし、お風呂や銭湯、サウナでリラックスした後に、リラックスを促進する目的の飲み物はまだ世の中にないのではないか、という新規性に目を付けました」

 また、CHILL OUTが抱える課題感も背景にあったという。CHILL OUTは、真逆なコンセプトであるにもかかわらず、店頭はエナジードリンクの横に陳列されるケースが非常に多く、消費者がエナジードリンクの一種と誤認するケースが散見されていた。

 「新しい市場だからこそ、正しい認知獲得に苦戦していました。そんな中で既存のリラックス体験やその空間とコラボレーションすることにより、リラクゼーションドリンクとしての理解を深められると考え、今回の施策を発案しました」

コミュニティに所属している人に訴求することで拡散が加速

 本施策の取り組みを広めるためにEndianは何を行ったのか。渡邉氏はオンライン・オフラインの両面で工夫を施したという。

 まず、オンラインでは、SNSを中心に取り組みを発信。渡邉氏自身も想定外なことに、SNSを運営している温浴施設も多かった。その配信を介して施設のファンのコミュニティ内にCHILL OUTの「お風呂の日」「サウナの日」の取り組みが広がっていき、旧来のCHILL OUTファンのコミュニティとは別のコミュニティで認知拡大が行えたという。

 オフラインでは、入浴剤での「チルアウトの湯」を一つのフックとして、施設内にポスターやPOPを掲載した。

 「元々興味がない人を連れてくるよりも、最初からある程度コミュニティに属している方に上手く訴求ができれば、広がりも加速します。今回、新規・既存の両方にアプローチできたのはおもしろかったですね」

 実際、今回のイベントをきっかけに、「普段はあまり行かないけど、この近くでやっている銭湯に行ってみよう」といった人や「最近は行けていなかったが、今回のイベントを機にまた行ってみよう」という人もいたという。

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「チルアウトの湯」のイベント告知POP

 またEndianでは、 自社サイトの中で温浴施設の紹介や参加施設の一覧を共有し、そこを見た方が来るという導線を作ったという。その狙いは共有方法によるターゲットの振り分けだ。

 「大々的な『拡散』ではなく『ちょっと深度が高い情報共有』として、より興味がある方が読んで行きたくなるような情報を掲載する。CHILL OUTを好きな方がサイトを見て行ってみようと思える導線づくりを意識しました」

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売上は前年比+100%で推移 SNSでも約3千件の言及を観測

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この記事の著者

釘﨑 彩子(クギサキ アヤコ)

 2019年からマーケティング・広告の専門出版社で編集者として勤務。広報・PR分野を中心に編集業務にあたる。2022年よりフリーランスのライターに。媒体問わず、マーケティング、広報、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

土屋 典正(編集部)(ツチヤ ノリマサ)

法政大学法学部を卒業。MarkeZine編集部に所属。

 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/05/15 07:30 https://markezine.jp/article/detail/42090

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