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【特集】テレビ×マーケティング2023

電通が語る、テレビCMの現在地 価値最大化のカギは「高度化×爆発力」

テレビCM×CTV広告をいかに最適化していくか

──テレビ×マーケティングにおいては、CTV広告の拡大も近年の大きな変化です。テレビCMとCTV広告を地続きに捉えられている例は出てきていますか?

濱:ライフネット生命保険様は、アロケーションの最適化を目指し、テレビCMとCTV広告を横並びにして比較しながら効果検証を行っています。ライフネット生命保険様の場合、ネットでの見積もり〜申し込みまで一連の過程をデジタルで追えますから、広告施策を可視化しやすくKPIも明確です。ゆえに、広告効果の効率化を精度高く追求されていて、社内でもデータドリブンなPDCAがしっかり浸透している印象です。

 これまでテレビCMとCTV広告(TVer、YouTube)に常時数十本の素材を流し、クリエイティブ別に効果検証を行ってきたのですが、その中で様々なラーニングがありました。たとえば、テレビ、YouTube、TVerに同じクリエイティブを流し横比較で分析した結果、いずれにおいても高い成果の出るクリエイティブの傾向は全然違うことがわかっています。

 CTV広告を始めるとき、テレビCMの勝ち素材をCTV広告に広げていくパターンや、あるいはその逆が現状多いかもしれませんが、それは最適なアプローチではないと思われます。各素材を同じ土俵で同時期に検証すべきです。

──テレビCMとCTV広告の効果効率を比較するとき、どのような指標を用いるのでしょうか?

濱:地上波テレビCMとCTV広告の効果を可視化し、横断での分析を可能にする弊社のソリューション「レスポンスコネクター・ダッシュボードPro(以下、レスポンスコネクター)」を用いて効果検証を行っています。レスポンスコネクターでは、テレビCMとCTV広告の出稿データ(地上波テレビCM、TVer、YouTube、AbemaTV、その他)と、広告のレスポンスデータ(サイト来訪数やDL数、CV数、購買数など)を突き合わせた分析が可能です。局別/番組ジャンル別/番組別/曜日・時間別といった様々な軸で分析することができます。

 重宝されているのは、テレビCMとCTV広告の出稿量を同じ指標で比較できる点。ダッシュボードにはGRP定義の画面とimp定義の画面があり、CTV広告の出稿量をGRPで、反対にテレビCMの出稿量をimp換算で見ることができます。これにより、「どのメディアが一番効率良くKPIに寄与するか?」「パフォーマンスの悪いメディアは、月額予算の上限をどこに設定すれば効率悪化を防げるか?」といった具合に、テレビCMとCTV広告を同じ指標で比較して、PDCAを回していくことが可能になるのです。大体の企業様は、複数のKPIで週に2回ほどダッシュボードを更新・分析しています。

──なるほど。GRPとimpを同じ指標にならして、横比較できるのは大きいですね。

濱:やはり多くのクライアント様もここの機能を評価してくださいます。ただ、レスポンスコネクターは効果をチェックするためだけのツールではありません。昨今、マーケティングの現場ではPDCAと言いつつ、チェックツールが乱立してしまっているように感じますが、本当に大切なのはそれをベースにアクションを起こすこと。目指すべきは、我々がずっと掲げているPeople Driven Marketingであり、Check Marketingではないわけです。

 また、データを追えば何かしらの最適解を見つけることができますが、どこかで爆発的に拡散させないと、広告効果もビジネスもシュリンクしていってしまいます。布瀬川の話にもあったとおり、データ×クリエイティブ力はどちらも欠けてはならないものです。洞察力と創造力をもって、“人を動かす”ことにフォーカスしたプランニングをしていかなければと思っています。

──最後にラジオテレビ局の今後の展望をお聞かせください。

布瀬川:我々がやるべきことはシンプルです。まずは、より多くの人にテレビコンテンツを見てもらえるよう、より良いコンテンツを、より最適な方法で届けていくということ。特に若年層にもしっかりコンテンツを届けていくために、デバイスやタイミングを問わずより良い形を作っていきます。もう1つは、そのコンテンツの中に流れる広告の効果を最大化するということ。そのために必要な広告メニューを引き続き拡充するとともに、それを支える技術や仕組みを開発していく考えです。

 テレビ局やコンテンツの制作を担っている人たちに、制作費という形で安定的にお金が流れていくことで、視聴者は良質なコンテンツを無料で楽しむことができる。このコンテンツの制作と消費の循環を支えていくのが我々の使命です。先ほど申し上げた高度化と爆発力の2つがあれば、この使命は全うできると思っています。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2023/05/26 09:30 https://markezine.jp/article/detail/42273

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