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【特集】テレビ×マーケティング2023

月間3,500万人がテレビでYouTubeを視聴する今、Googleが考える広告活用とは?

 テレビ画面におけるYouTubeの利用が増えている現在、Googleはテレビ画面で流れるYouTube広告(CTV広告)をどのような位置づけと捉えているのか。また、複雑化するチャネルの中で適切に広告を届けるために何を行い、投資効果を明確にするために、どのような取り組みをしているのか。日本においてYouTube広告のマーケティングを統括する、グーグル合同会社 Senior Marketing Manager, YouTube Ads 中村全信氏にうかがった。

月間3,500万人がテレビでYouTubeを視聴

――若年層を中心にテレビ画面でのYouTube視聴が増えているという調査結果も出ています。日本において、YouTubeの視聴形態はどのような変化が起きていますか?

中村:生活習慣が大きく変化してきたここ数年においても、YouTubeの視聴者は伸び続けています。その背景として、YouTubeならではの特徴である「1.幅広い世代のユーザー」「2.豊富なコンテンツ」「3.マルチデバイス・マルチフォーマット」の3つが影響していると考えています。

 Nielsen DCR※1によると、2022年5月時点で日本の18歳以上でYouTubeを視聴する方は月間7,000万人を突破しました。これは同世代人口の65%以上です。視聴者層の中心はZ世代と呼ばれる若年層だと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、45~65歳の月間ユーザーは2,500万人以上で、幅広い世代に視聴いただいています。おうち時間の増加を機にYouTubeで自宅の中の楽しみを見つけ、新たな学びを得たいと考えた人々が、その後もYouTubeの価値を感じ、視聴が定着しているのだと思います。

 また、日本の動画サービスユーザーのうち91%が、YouTubeは他のサービスよりも「自分にとってより良いコンテンツを見つけることができる」と答えていて、また18歳~24歳はYouTubeについて「利用できなくなると最も寂しいと感じるサービス」と答えています※2。

 このように幅広いユーザーが定着している理由として、YouTubeには短時間で楽しめる娯楽的なトレンド動画はもちろんのこと、自分の趣味や興味があることを好きなだけじっくり深掘りできるコンテンツが豊富にあることが背景にあるのではないかと考えています。

 たとえば、大好きなYouTubeクリエイターやアーティスト、芸能関係の皆さんが他では見せないような「自分らしい」動画を投稿していたり、「沼る」と言われるような興味があること・学びたいことにとことん没頭できるコンテンツがあったりします。そしてニュースやスポーツ、アニメや映画など、生活に欠かせない情報源からエンタメまで幅広いコンテンツがあるのがYouTubeの大きな特徴です。

 特に最近特徴的な変化としては、モバイル、PC、タブレット、そしてコネクテッドテレビといった「マルチデバイス」と、長尺、ショート、ライブ、ミュージックビデオといった「マルチフォーマット」の動画を、生活シーンや気分に合わせてシームレスに楽しまれている点です。好きな時に好きな場所で好きなだけ、自分の生活スタイルに合わせて動画視聴できる点が支持されているようです。

マルチフォーマットの成功例:SEKAI NO OWARIの楽曲『Habit』は、ミュージックビデオが音楽動画の1位になったのに加え、YouTube クリエイターのHIKAKIN氏がミュージックビデオを再現した動画もトレンド動画に。さらにショート動画でも人気を集めた。Think with Googlehttps://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/marketing-strategies/video/yt-trendsreport2022/より
マルチフォーマットの成功例:SEKAI NO OWARIの楽曲『Habit』は、ミュージックビデオが音楽動画の1位になったのに加え、YouTube クリエイターのHIKAKIN氏がミュージックビデオを再現した動画もトレンド動画に。さらにショート動画でも人気を集めた。引用:Think with Google『YouTube をマーケティングのヒントに——トレンドが生まれ、マルチフォーマットなどで生活に定着進む』

 今回のテーマでもあるコネクテッドテレビでのYouTube視聴は、2022年5月時点で月間3,500万人※3。そして、誰かと一緒に見る「共視聴」も増えていて、58%は家族、友人など誰かと一緒に視聴しています。さらに、お子さんがいる場合は78%が家族と一緒に視聴しています※4。

 また、テレビ画面でYouTubeを視聴する場合、モバイルやデスクトップPCでの視聴と比較して、平均視聴時間は2倍以上※5。さらに、テレビ画面で視聴するログインユーザーの25%以上は、コンテンツをほぼテレビ画面でのみ視聴している※6ことからも、コネクテッドテレビでのYouTube視聴が生活に定着し始めていることがわかります。

 そして、インテージの調査によると、生活者がテレビをインターネットに接続した理由の1位は、「テレビ画面でYouTubeを見たかったから」※7。さらに、YouTubeはコネクテッドテレビで利用される動画サービス第1位となっています※7。これまでの、いつでも好きな時に、好きな場所で、一人で楽しめるYouTubeから、リビングなどでみんなと一緒に楽しむYouTubeへ。新たな進化を遂げ、1日の中であらゆる場面で視聴いただける動画サービスになりました。

広告視聴に積極的なユーザーの存在

――この変化に対し、YouTube広告はどのような対応をしていますか?

中村:弊社では、広告はユーザーにとって価値のあるものであるべきと考えています。そして、見るか見ないかの選択をユーザーにしていただくことも大切だと考えています。

 たとえば「TrueView インストリーム広告」は5秒後に広告をスキップすることが可能で、その広告に興味のないユーザーは広告を見ないことも可能です。そして広告主様に対しては、ユーザーが広告を最後まで見た(30秒以上の動画広告は30秒見た時点)あるいは、クリックした時点で「ユーザーが興味を持った=価値があった」と判断し、課金されるようになっています。

 また、多くのユーザーはYouTubeに動画を投稿するクリエイターやアーティストが広告収益を得ていることをご存じです。そのため、広告を見ること自体が好きなクリエイターを応援することにつながる、つまり「推し活」という意識を持たれていることもあり、広告視聴について積極的な方や、他では見ることができない広告を楽しんでいるユーザーもいらっしゃいます。

 実際に、弊社がユーザーにインタビューした結果、YouTube広告は「広告を選べる。好き、興味があると自分で意思表示できるので、興味をひかれる広告が出やすいと思う」(30代男性)、「なんとなく興味があるものの広告が出ることが多いので、購入のきっかけとして響きやすい」(20代男性)など、購入のきっかけになったという声や、「すごく短い時間の広告が多いので、内容がぎゅっと詰まっていてわかりやすい」(20代女性)、「(長尺の広告の場合は)ストーリー性があるため、企業が伝えたいことがより伝わってくる」(20代男性)、「気になったものは飛ばさずに見てしまうときがある」(20代女性)など、広告自体への好意的な意見も多く聞かれました。

 これらのユーザーの広告への印象を踏まえた上で、ユーザーにとって価値のある広告をお届けいただきたいと考えています。

出典

 ※1:Nielsen DCR、2022年5月

 ※2:Google/Ipsos、日本、WhyVideo JP 2022、n=2,096、月に一度以上動画サービスを利用する人、18〜64歳、2022年5月19日〜5月27日

 ※3:Google、日本、2022年5月

 ※4:Google/Ipsos、日本、WhyVideo JP 2022、n=2,096、月に一度以上動画サービスを利用する人、18〜64歳、2022年5月19日〜5月27日

 ※5:Google、日本、2022年6月

 ※6:Google、日本、2021年12月

 ※7出典:インテージ、コネクテッドテレビ動向調査、日本、2022年、n=8,819(18-79歳、テレビ画面上で動画サービスを月1回以上視聴している人)、2022年2月

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MarkeZine(マーケジン)
2023/06/07 09:30 https://markezine.jp/article/detail/42099

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