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藤原ヒロシのマーケティングセンスの正体に迫る/博報堂ケトルと集英社が「大学」を開く理由

カギはアンバランスさ、藤原ヒロシ流・コラボの秘訣

MZ:藤原さんはナイキやスターバックスなど名だたるブランドからコラボレーションのオファーを受けてきましたが、企業とのコラボレーション時に意識していることはありますか。

藤原:ブランドとコラボレーションする際は、企業側の意見をなるべく聞きながら、そのブランドが持つアイデンティティを際立たせることを意識しています。たとえば、モンクレールとのコラボレーションであれば、同ブランドのアイデンティティと言えるダウンをカスタムしてみようとか、ルイ・ヴィトンならモノグラムを自由に使えるのかなとか。

 また、アイデンティティを直接活かすか、アイデンティティとは真逆のアンバランスなモノを作るかで考えることが多いです。その企業の心意気や懐の深さによってどこまでできるかは変わってくるので。ただ、個人的にはアンバランスなほうがおもしろいと思っています。

MZ:ちなみに藤原さんが印象に残っているアンバランスな広告や商品はありますか。

藤原:広告で好きなのは、老人がニューバランスを履いている広告です。1970年代のグラフィックで、アスリートやモデルではなくあえて老人をモデルに起用しているのが素晴らしいなと思います。

クリエイティブディレクターと編集者から見た、藤原ヒロシのすごさ

MZ:今回の企画に関わっている皆川さんと小澤さんにお聞きしますが、マーケティングの視点で藤原さんのすごさはどこにあると思いますか。

皆川: 2つあって、1つはフラットであること。1980年代にヒロシさんがロンドンに行ったとき、様々なバックグラウンドを持つ人々と共同生活をしていたと聞きました。その際、性別・年代・国籍を問わず誰とでもフラットに接することが自然と身に付いたとか。今でもそのフラットな感覚を失わず、誰の話にも耳を傾け、本当に広く深い知識をインプットされているのがすごいと思います。

 そしてもう1つは、物事の見方が他人と明らかに違う点ですね。コラボレーションの話でも出ましたが、ブランドのアイデンティティは最大限活かしながら、そのブランドの意外性も存分に引き出してくる。既存の枠組みを壊す、何かアンバランスな要素を付加してみるなどの手法は、若き日に影響を受けた、パンクやヒップホップのカルチャーにルーツがあるとか。

MZ:小澤さんはいかがでしょうか。

小澤:一言で言えばセンスですね。圧倒的に優れたセンスがあるから、何を作っても売れるんです。多くのマーケターは仕組みでモノを売ってきたと思いますが、ヒロシさんはセンスで仕組みがなくてもモノを売ってきた。

 今回の「FRAGMENT UNIVERSITY」でも、そのセンスの正体が何かを言語化し、マーケターの皆さんにカリキュラムとしてお届けしたいと思っています。

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藤原ヒロシのセンスを追体験してマーケの新たなヒントを得る

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/09/12 09:00 https://markezine.jp/article/detail/43433

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