不動産業界でも深刻化 「とりあえずまだ大丈夫」自分ごと化できていないアドフラウド問題
──まず鈴木様の簡単なご経歴や現職の業務、ミッションについてお聞かせください。
私は元々、雑誌の編集に携わっていましたが「これからはWebの時代」と考えるようになったことからWebの道に転身し、不動産情報サイトのWeb編集やUI/UXの効果改善に携わるようになりました。
約13年前にアットホームに入社した頃は、編集よりもサイト運営がメインの業務でした。当時はWebサイト上の数字を見る環境が整っていない時代でしたが、「数字の変化を社内にどう共有し、改善していくか」を考える必要性を感じていたことから、徐々にマーケティングがメインの業務となっていきました。さらに同時期、Googleのリマーケティングが出始めたくらいのタイミングでWeb広告にも携わるようになり、現在ではマーケティング分析グループの責任者を務めています。
──Web広告に長く携わられてきた経験からも、近年深刻化しているアドフラウド問題についてご存知かと思います。不動産業界でもアドフラウド問題が年々深刻化しているそうですが、そのような実感はありますか?
不動産業界は広告にかける費用が大きいこともあり、相対的に被害が大きくなると考えています。ただし、以前は当社もそうでしたが、アドフラウドの問題について認識はしていたものの、自分たちのWeb広告がそのようなリスクにさらされていると自覚している企業は多くないと感じています。私も数年前にセミナーに参加しましたが、これはあくまでも情報収集程度のもので自分ごと化はしていませんでした。
広告戦略にも影響あり アドフラウドの脅威
──アットホーム様がアドフラウド対策に取り組み始めたきっかけを教えていただけますか?
アドフラウドの問題を自分ごと化し始めたのは、CHEQさんの無料セキュリティ診断を受けたことがきっかけです。以前からの知り合いだった担当の方に声をかけていただき、物は試しと軽い気持ちで受けてみました。
実装してチェックしていただいたところ、想像以上のアドフラウドが発生していることが判明しました。テストを受けたタイミングが需要期で、Web広告を多く投下していたという側面もありますがそれを加味しても被害は大きかったです。
正直、広告主の立場からすると、プラットフォームにお金を払って出稿している以上、アドフラウド対策はプラットフォーム側が行うべきだと考えていました。しかし、実際に沢山のフラウド被害を受けていること、加えて当社がインハウスでWeb広告を運用していることを考えると、自分たちでも対応する必要があると痛感しました。
したがって、当社2023年6月からCHEQさんが展開する「Customer Acquisition Security」を導入しました。