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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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【特集】2024年の消費者インサイト

シニア層の消費行動から見えた5つのトレンド

 少子高齢化の進む日本において、シニア層は大きなボリュームを占める消費者層の1つだ。本記事では、ハルメク生きかた上手研究所の所長である梅津順江氏に、2023年のシニア層の消費行動トレンド、2024年の予測を聞いた。

※本記事は、2024年1月刊行の『MarkeZine』(雑誌)97号に掲載したものです

2023年、シニア層の消費行動から見えた5つのトレンド

──2023年を振り返って、シニア層の消費行動で特徴的だったものはありますか。

 ハルメク生きかた上手研究所の「2023-2024シニアトレンド」では、2023年のシニア層の関心や価値観を調査し、以下5つのトレンドを発表しています。

  1. 孫と推し活
  2. 投資はじめました
  3. 筋トレシニア
  4. #インスタグランマ
  5. シニアは体パ

1.孫と推し活

 2023年5月に新型コロナウイルスが5類に移行してから、外出意識の高まりがシニア層でも見られ、ショッピングや旅行、スポーツ観戦、イベントなどあらゆるところで消費が活発化しました。中でも、顕著な伸びが見られたのが推し活です。ハルメク生きかた上手研究所の調査では、推しがいる50歳以上の女性は2022年から12.7%増加して47.9%になり、年間平均約10万円を推しに費やしていることがわかっています。

ハルメク生きかた上手研究所 所長 梅津順江(うめづ・ゆきえ)氏 2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施。
ハルメク生きかた上手研究所 所長 梅津順江(うめづ・ゆきえ)氏 
2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施。

 また、一人ではなく孫や子などの家族や推し仲間と一緒に活動するのも特徴的でした。推している対象もシニア層で根強い人気を持っているアイドルやスポーツ選手はもちろん、若者層に人気があるようなゲームやアニメのキャラクターなど様々です。

現在の「推し」の有無と「推し」の経験×興味の有無。現在「推し」がいないと答えた人の半数以上は過去に「推し」がいたり、興味があったりと推し活が加速していく可能性が読み取れる(タップで画像拡大)
現在の「推し」の有無と「推し」の経験×興味の有無。現在「推し」がいないと答えた人の半数以上は過去に「推し」がいたり、興味があったりと推し活が加速していく可能性が読み取れる(タップで画像拡大)

2.投資はじめました

 物価上昇の影響を受け、2023年に投資を始めるシニア層が増加しました。50歳以上女性の資産運用者は2019年との比較で6倍まで増加しました。これまでは投資することに対するリスクを鑑みて慎重でしたが、今後シニア層の投資は増加していくと考えられます。

3.筋トレシニア

 外出意識が高まるにつれて、これまでのおうち時間からのギャップで疲れが見えてきています。その結果、体力を付けるために筋トレを始めるシニア層が増加しました。特にコンビニジムの登場が筋トレに対するハードルを下げ、フィットネスジム市場全体が盛り上がりを見せています。これまでシニア層の運動はストレッチやウォーキングがメインでしたが、今後は筋トレに励み、予防の健康に取り組むシニア層が増加する可能性があります。

4.#インスタグランマ

 コロナ禍でSNSに触れるシニア層が増加し、SNS利用率は2019年の11.9%から31.9%になりました。特にInstagramの利用率は増加し、50代から80代までファッションやライフスタイルを投稿するシニア層が増加しました。とてもキレイで輝いている方が多く、シニア層だけでなく、下の世代の方が憧れてフォローするケースが増えています。

女性シニア層のSNS利用率の推移
女性シニア層のSNS利用率の推移(タップで画像拡大)

5.シニアは体パ

 若年層がタイムパフォーマンスを気にするのに対し、シニアは体力をいかに消耗させないかという体パを重視する傾向が高まりました。特に家事や買い物の手間を省く動きが顕著になり、博報堂生活総合研究所「生活定点」調査によると、コロナ前に比べ調理済み食品を使う割合が8〜10ポイント上昇しています。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/01/31 09:30 https://markezine.jp/article/detail/44613

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