NewsPicksが注力する3つの認知施策と評価基準
1本目、2本目の記事では、NewsPicksが行っているLTVドリブンのマーケティングについて、その全体像をご紹介しました。本テーマの最終回となる本記事では、LTV起点のマーケティングにおいて実際に展開している施策や、マーケティング投資への考え方についてご説明します。
2本目の最後でお伝えした通り、NewsPicksでは無料会員を獲得することに注力しながら、ブランドの認知率を上げる施策も行っています。
認知施策の一つは、テレビCMに代表される、マスマーケのような認知施策です。テレビCMは放送中の獲得による直接効果に加え、放送期間外の残存効果などの間接効果を含めて施策効果を評価しています。
しかし、NewsPicksではそこまで含めても、獲得単価の比較でマスマーケはデジタルマーケティングに及びません。ただ、認知が広がることでオーガニック獲得とデジタルマーケティングの単価低減に大きな効果はあります。よって、獲得単価はデジタルマーケティングとテレビCMの合算でLTVを超えない形とし、かつ認知拡大が必要なタイミングで実施を検討しています。
実際、2022年に実施したテレビCMは、2022年の新規会員獲得はもちろん、2023年のオーガニック獲得とデジタルマーケティングの増加に貢献しています。
二つ目は認知拡大・無料会員獲得を目的とした、動画によるコンテンツマーケティング施策です。
前編で、有料動画コンテンツのオーガニックリーチにYouTubeとの相性がいいとお伝えしました。NewsPicksでは常にオリジナルの有料動画や、広告コンテンツとしての無料の動画を制作しています。それらのコンテンツは番組制作チームがYouTubeに公開してくれており、認知拡大にも大きく寄与してくれています。そこに着目し、ターゲティングできるマーケティングの手法としても注目しています。
どういうことかというと、YouTubeのアルゴリズムは、かなり似た視聴者層に偏ると感じています(それだけ親和性のあるセグメントに配信されている裏付けでもあると言えます)。たとえば、子供の教育系のコンテンツだと視聴者層が30~40代の女性が多くなります。また、就活生向けコンテンツで若者に人気のあるYouTuberの方にご出演いただいたところ、20代の男性の視聴者が多くなった実績があります。これは、ターゲット層に受け入れられるコンテンツを作れば、コンテンツでターゲティングできるということを意味します。
三つ目は認知施策ではありませんが、認知がない方にもアプリをインストールしてもらう取り組みとして、TikTokなどでUGC風なクリエイティブにチャレンジしています。一見するとNewsPicksっぽくないクリエイティブですが、閲覧してくれているターゲットのシチュエーション・便益を、ユーザー目線で制作したものです。
学生・20代をターゲットにしたクリエイティブでは、実際にNewsPicksでインターンをしてくれているメンバーが企画から制作まで担当しました。それまでのクリエイティブのトーンと違うため、どの程度反応があるか想像できませんでしたが、その他の標準的なクリエイティブよりも実績が出ているものもあります。