人を深く理解し、良いものを届ける
──1年間My Kaoに取り組んできた中で、どのような手応えを感じていらっしゃいますか?
堀:まだまだ発展途上の部分も多々ありますが、現時点で感じている手応えとしては、My Kaoがお客様にとって最初にKaoBeauty Brands に触れる場となったことです。そもそもKaoBeauty Brands の名前自体、知っている方は多くないのではないでしょうか。これは花王が展開する化粧品ブランドの総称です。
花王は一貫して、ブランドを尖らせパーパスを重視する、ブランドごとのコミュニケーションを行なっていました。My Kao を通じて、Kao Beauty Brands がより象徴的な存在に近づいていると感じています。
鈴木:これまで独自で展開してきたブランドが一緒になり、花王というパーセプションを作り上げていくことは決して簡単なことではありません。しかしMy Kao によって少しずつお客様にも認知され始めていると感じています。同時に化粧品だけでなく、ハイジーン&リビングケア用品やヘルス&ビューティーケア用品、ライフケア用品など、性質の異なる商品を展開する「花王ブランド」のファンを作ることの難しさを再認識し、様々なチャレンジをしているところです。
――現状を踏まえMy Kaoで今後対応していきたいことをお聞かせください。
堀:MAU とEC 売上の向上は指標として重視していますが、お客様の行動やコメントから得られる気づきのほうが大切だと考えています。とはいえ、気づきを得るためには、お客様にMy Kaoをお使いいただくことが求められるので、両輪で進めていきたいです。そして、My Kao上で得た知見を商品やサービスの改善に活かしたり、お世話になっている流通や小売店様に還元したりできるマーケティング装置にしていきたいと思います。
私たちが目指しているのは、あくまでより良いカスタマーサクセスであり、顧客体験です。このことを大切にしながら今後も取り組んでいきたいです。
鈴木:デジタル基盤というとI DをつないでCRMを回して……といったことにフォーカスしがちですが、既に集まっている方よりも、そうでない方のほうが圧倒的に多いです。その方たちとどう接点を持って関係性を築いていくかが重要です。そのためにはコミュニケーションのとり方を工夫していく必要があると思います。
花王は、企業理念である「花王ウェイ」で、「人をよく理解し期待の先いく企業に」をビジョンとして掲げ、生活消費だけでなく、人そのものを理解しようとしています。My Kao によって、もっと幅広くそして深く人を理解し、良いものを作り続けていける仕組みをこれからも構築していきたいと考えています。