PLAID ALPHAのレポートから得た示唆を施策へとつなげる
──PLAID ALPHAでは、どのような分析データを提供したのでしょうか。
中野:KARTEで収集したデータに加えてパルさんのリアル店舗でのデータをご提供いただき、それらを組み合わせて分析していきました。そして、アプリの使用状況などに関する30数ページに渡るレポートを5回に分けてお出ししています。
中野:たとえば、「アプリやWebそれぞれでどのように商品検索をして購入に至っているのか」といったお客様の行動のほか、購入に関するユーザー行動の分析を行っています。ユーザーがアプリを起動した時は常に購入を目的としているわけではないので、目的による行動の違いもレポートしています。
また、ブランド別のECでの年間売上、会員数、年間購入者数、1人当たりの年間売上平均額とあわせて、ブランドごとの特徴も分析しました。
さらに購入経路の分析から「アプリユーザーとWebユーザーの店舗購入経験との関連性」に着目したり、アプリの中でどの画面、どの部分がタップされ、どこを経由して購入に至っているのかを機能ごとに出したりもしています。
──レポートからはどのような示唆が得られましたか。
髙橋:弊社ブランドの中でも、雑貨の「3COINS」の人気が高いので、多くのお客様がパルブランドと接する入口となっています。しかし、その方々があまりアパレルブランドで購入していないという分析結果から、各ブランドにつながりを生み出せていないという課題が見えました。また、3COINSのお客様はWebサイトからの購入が多いこともわかりました。
そこから、「3COINS」のお客様にアプリをダウンロードしていただき、アパレル購入にもつなげていく取り組みを進めていこうと、方向性が見えてきました。
中野:3COINSのように商品単価が安い場合、送料無料ラインに到達するまで多くのアイテムをカートに入れる必要があります。そこでアプリよりタブを複数開いておけるWebブラウザの方が買い物しやすいことが理由の一つではないかとも話しましたね。
得られた示唆から、アプリのUIを調整。購入率の向上につながる
──レポートから得られた示唆の中から、具体的な施策や効果につながったものはありますか。
名嶋:アプリユーザーはお気に入り登録からの購入率が高いことがわかったので、アプリのホーム画面に「ニュース」「ホーム」と並んでお気に入り一覧を表示する「♡」のタブを追加してより前面に押し出すことにしました。
名嶋:お気に入りに登録されたアイテムが値下げされたり在庫数が残りわずかになったりした際にKARTEを使ってアプリでプッシュ通知できます。お気に入りユーザーやお気に入り登録されるアイテム数が増えれば、必然的に購入の確率が上がっていきました。
この取り組みだけの成果とは言いきれませんが、お気に入り登録からの購入はさらに増えました。
中野:価格や在庫数の変動をアプリでプッシュ通知するのはアプリを立ち上げるきっかけになるので、お気に入り登録を増やすことは売上向上に貢献しやすい施策ですね。
──今後の展望や展開についてお聞かせください。
髙橋:アプリの利用者数や売上は毎月伸びていますので、「WebサイトのECから購入するものの、アプリは利用しない方々」はシェア数だけを見るのではなくて、KARTEで見られる様々な行動データをきちんと見て行動パターンを読み解くことで、アプリユーザーへと導く解決策を見つけていけたらと考えています。
名嶋:今後も引き続きKARTEを使ってスピーディにアプリやWebの改修は続けていきますが、KARTEは個へのアプローチが得意なツールなので、よりパーソナライズに力を入れていきたいです。
中野:KARTEはPDCAを高速に回せるマーケティングツールとして、これまでマーケターの方が思いついた施策をすぐ試行錯誤できる点に価値を見いだしていただいてきました。今後は、PLAID ALPHAで分析した顧客データを用い、マーケティングに限らず事業における自体に様々な場面でご活用いただけると思います。
こうした貢献はまだできていないところもあるので、パルさんを始めとするクライアント企業の方々により一層知っていただき、活用いただくことで取り組みを加速させていきたいです。
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