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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Autumn

ブランドは気まぐれな消費者とどう向き合うべきか?

「丸亀製麺が食べたい」を喚起するために何をしている?トリドールのコミュニケーションとチャレンジ

41日間話題を途切れさせない/新クリエイティブへの挑戦

 2つ目はチャレンジの取り組みです。昨年春にリリースした丸亀シェイクうどんを、夏にも盛り上げるキャンペーンを全方位で行いました。まだ食べたことがない方、丸亀製麺にあまり行かない女性や小さいお子さんがいるご家族に向けたものです。

 普段の丸亀製麺にはないポップな商品であるという特徴に合わせて、音楽やダンスをフックにしたテレビCM、商品の無料配布や夏祭りをイメージしたリアルイベントに加え、ソーシャルでは「夏は毎日ヨイ(41)ことあるかも!41日間サマーシェイクうどんイベントリレー」と題して、毎日楽しんでいただきながら商品やブランドに触れられる企画を展開しました。毎日途切れることなくキャンペーンを実施したのは丸亀製麺でも初めての試みで、かなり反響をいただきました。

 3つ目はこれからの期待も込めた新たなチャレンジという観点での取り組みです。

 丸亀製麺には季節限定うどんと呼ばれる期間限定商品があります。春には毎年「山盛りあさりうどん」を提供しています。今年は加えて牛すき焼きにごぼうの天ぷらをたっぷりのせて玉子を添えた「牛すきごぼ天ぶっかけ」という商品を販売しました。

 どちらの商品も、オーダーをいただいてからお肉を焼いたり、あさりを茹でたりと都度調理しています。こちらの商品も、手づくり・できたてという基本のコミュニケーションを行いつつ、新たなクリエイティブにチャレンジしました。

 それが「とことんうまい、とことん楽しい!耳で味わう丸亀寄席」です。プロの噺家である落語家さんにオリジナルの落語を書き下ろし&おはなしいただき、音声をSNSやデジタル広告で展開。加えて長尺バージョンを店内放送で流すというものでした。

 従来のコミュニケーションは基本的に目でシズルを楽しんでいただくものでしたが、それ以外の切り口を模索して、耳・音声でおいしさを伝えられないか?と考えたのです。落語家さんの語り口や豊かな表現を聞くと、「思わず食べたくなる」、「お店に行って落語を聴きながら食べたくなる」、そんなお声をお客様からもいただけた、オンラインとオフラインをつなげた施策でした。

従業員を軸にチャレンジを重ねる

──最後に、今後挑戦していきたいことがあれば教えてください。

 会社としての視点ですが、今回お話しした取り組みは店舗のスタッフさんやマーケティング以外の部署の方々の理解と協力があって成立したものです。従業員を中心に良いスパイラルが生まれ、これからもお客様との良いコミュニケーションを行っていくために、お客様だけでなく、従業員の働く幸せづくりとモチベーション向上に取り組んでいきたいと思います。

 加えて商品開発・コミュニケーションの両面で新しいチャレンジをしていきたいと思います。商品の文脈では、新カテゴリー「丸亀うどーなつ」を6月25日より販売予定です。こちらは、丸亀製麺のもちもちのうどん生まれならではの衝撃のもっちもち感が特徴の商品で、フレーバーは「きび糖味」と「やみつきカレー味」2種類あり、ドーナツ・スイーツ市場だけではなく小腹がすいたときの間食市場を広く開拓する、丸亀製麺が手掛けるスイーツ商品として新しいチャレンジをしていきます。

 また、先ほど取り組みでお話しした音声の取り組みは引き続きチャレンジしていきたいです。具体的には、夏季の来店客数を増加させること、「夏といえば丸亀製麺」というブランドパーセプションを高め、定着させるコミュニケーションの1つとして「怖いふりしたおいしい話丸亀怪談」を鬼おろし肉ぶっかけという商品のプロモーションで展開します。こちらは丸亀寄席のように耳からおいしくクスっと楽しんでいただける、ひんやり涼しくなれて、うどんを食べたくなり丸亀製麺に行きたくなるための涼感を届けられる内容を検討しています。

 このように新しいチャレンジが目白押しですので、これからの丸亀製麺の取り組みにご期待いただければと思います。

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この記事の著者

伊藤 桃子(編集部)(イトウモモコ)

MarkeZine編集部員です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/27 09:30 https://markezine.jp/article/detail/45744

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