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デジタル庁への提言 「個人情報有効活用法」の制定を

デジタル庁への提言

 このAI時代、デジタル庁にお願いしたいことがある。「個人情報有効活用法(仮称)」の法制度化を進めて欲しい。管轄は総務省なのかもしれない。その場合は、もちろん、デジタル庁と総務省で協力して欲しい。テレビ局や新聞社など公共の利益に資する企業の個人情報活用を促進する狙いだ。いや、公共の役に立たない企業などない。本来、すべての日本企業のために、すべての日本人のために、個人情報有効活用を推進するべき時だ。

 いま、テレビは脱皮の時である。脱皮のために、まず、「個人情報有効活用法」でNHKのネット配信に関する視聴ログデータを、民放局に解放し利活用を促進していく。この提言には、新聞社・雑誌社も含める。全国のテレビとラジオのキー局・ローカル局、大手新聞社・地方新聞社、雑誌・専門誌なども対象にする。このままでは、マスメディアはジリ貧だ。そんなことは許されない。マスメディアは、日本の経済成長を支えてきた。日本の政治・経済や文化、娯楽の担い手だった。これからもずっと、そうあるべきだ。

 IT業界はマスメディアを敵に回す気は毛頭ない。ネット広告は、マスメディアを破壊するために作ったのではない。だから、NHKの視聴ログデータだけではなく、Googleの検索履歴データ・Chromeブラウザ閲覧履歴データ、Amazonの購買履歴データ・閲覧履歴データ、Google/Appleのスマホの利用履歴データ・位置情報データ、Metaの持つFacebook/Instagramなどのきめ細やかな「いいね!」履歴や投稿・閲覧履歴データ、Microsoftの検索履歴データ・Edgeブラウザ閲覧履歴データ、OpenAIのChatGPT履歴データ/GoogleのGemini履歴データ/MicrosoftのCopilot履歴データ/Apple Intelligence利用履歴データなど、米国IT企業の保持する1st Party Dataをできる限りすべて解放し、民放局の広告配信や番組制作などで利活用できるように、「個人情報有効活用法」で定める。

 前回の記事で紹介した「カスタマーマッチ」を応用して、民放局の同時配信・CTVなどで広告配信のターゲティングに使うのだ。もちろん、TVerでも使う。Abemaでも使う。全国のテレビとラジオのキー局・ローカル局、大手新聞社・地方新聞社、雑誌・専門誌なども対象にする。NHKとGAFAMの保持する個人情報に関連するデータをすべて、日本のマスメディアの利益に資するように使っていただく。

 GDPRなどヨーロッパの個人主義では、個人データは個人の同意を取って使う。GDPRはヨーロッパ人の個人情報・データ保護に関する法律だ。それなら、日本人の個人情報・データの保護とその利活用については、日本の法律で定めるのが筋だ。「個人情報有効活用法」は日本人の個人情報・データ利活用に関する法律である。日本の個人情報保護法でその守りについて規定し、「個人情報有効活用法」でその攻めについて定める。

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個人情報を有効活用する先に、経済成長の余地がある

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この記事の著者

ヴァイオレット・エヴァーインディゴ(ヴァイオレット・エヴァーインディゴ)

1990年代に米国西海岸に留学し、シリコンバレーで就職。1998年のGoogle誕生に衝撃を受け、ネット広告・デジタルマーケティング領域に職域を転換。2000年代初めに帰国。米国大手IT企業・プラットフォーマーを6社経験。デジタルマーケティングのコンサルティングを生業とする。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2024/07/03 09:00 https://markezine.jp/article/detail/46001

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