2025年以降に加速する「個人の時代」
マスメディアや大企業だけが一方通行で情報発信を行う時代は終わり、インターネット上では、メディアだけでなく、芸能人やインフルエンサー、無名の個人などあらゆる人々が意見を発信しています。こうしたカオス化する情報の中から、多様な個人が自分の信念を軸に信じる情報を選び、意思決定をする。こうした流れを「個人の時代」の到来と捉えています。
これは、従来の何百年という歴史の中で進んできた社会形成の流れと逆の変化と言えます。これまでは、多種多様な個人が集まり、家族や村、町といった集団を形成して、近代社会が発展してきました。こうした集団社会では、集団全体を安定させるために強い情報管理も必要でした。これをマスメディア、政治、大企業が担っていました。
しかし、これからはマスメディア、政治、大企業の役割が小さくなり、個々人が情報を発信し、大量に生まれる情報の取捨選択を自ら行う方向へ加速します。社会生活も個人の価値観によって追求されるので、会社や学校といった集団の行使力や結束力は弱くなっていくかもしれません。2025年だけでどこまで進むかわかりませんが、社会全体がこういった「個人化」の方向に急速に進むことは間違いないでしょう。
ビジネスの世界で言えば、業界で閉じていた情報に誰でもアクセスできるようになるため、業界の情報を占有できていた専門家やプロの優位性が低くなります。専門性や能力に縛られずに、個人のやりたいことを追求できる環境になってきているとも言えるでしょう。個人の仕事観も、自分が好きなことを中心に、信念に基づいた選択になっていくのではないでしょうか。
