なぜ、ホワイトペーパー施策はうまくいかない?
ホワイトペーパーが失敗する理由は「売上につながらない」「継続するリソースがない」「知識・ノウハウがない」などが挙げられると思います。しかし、弊社Coneはホワイトペーパーが失敗する一番の大きな理由は、直近の売上に直接的に影響しないからだと考えています。
売上という数字が変化せず、それがために継続することができず「意味がなかったね/時期が間違っていたね」という判断につながり、施策がストップしてしまう。
弊社も最初は上記のような理由でホワイトペーパー施策を頓挫してしまいました。ホワイトペーパーを制作し、オウンドメディアを立ち上げ、様々な「型」と思われるコンテンツマーケティングを試してきましたが、なかなかうまく軌道に乗りませんでした。
しかし、今ではホワイトペーパーを含めたコンテンツマーケティングのおかげでリードの質も向上し、売上につながっています。
ではなぜうまくいくように軌道修正できたのか?
それは「コンテンツセールス」から始めていたからなのではないか、というのが弊社の考えるところです。
コンテンツセールスから始める
コンテンツマーケティングは理解できるが、コンテンツセールスとは一体何なのか。それを理解するために、まずはコンテンツマーケティングの定義を見てみたいと思います。
読者にとって価値あるコンテンツの制作・発信をとおして見込み顧客のニーズを育成、購買を経て、最終的にはファンとして定着させることをめざす一連のマーケティング手法
引用:株式会社イノーバ「コンテンツマーケティング完全ガイド」
「読者にとって価値あるコンテンツの制作・発信」とあります。ここでの「読者」とは、自社の潜在顧客のこと。つまり、コンテンツマーケティングとは、潜在顧客のニーズを顕在化して顧客にするための一連の活動です。
コンテンツマーケティングがうまくいかない企業は、この「読者」つまり潜在顧客のニーズの解像度が低いのです。当たり前ですが、顕在層よりも潜在層が感じている課題感のほうが捉えるのが難しいです。
前回の記事でもお伝えしたとおり、「ホワイトペーパーの満足度と効果性に関する調査」でも、ホワイトペーパーをダウンロードした後、内容に対して「期待外れだった」と回答した人は82%という結果が出ているように、潜在層向けの施策は難しいのです。
だからこそ、弊社はコンテンツセールスから始めることを推奨しています。コンテンツセールスをコンテンツマーケティングの説明文にならって説明すると、
顕在層/リードにとって価値あるコンテンツの制作・提供をとおして見込み顧客のニーズを育成、購買を経て、最終的にはファンとして定着させることをめざす一連の営業手法
つまり、コンテンツセールスとは、見込み顧客にとって価値のあるコンテンツを制作しメールや架電で届けて、顧客化することだと言えます。
コンテンツマーケティングは潜在層のニーズを発見し、そこから長い道のりを経て顧客化しないといけないため難しいと感じると思います。しかし、コンテンツセールスなら普段お客さんと接している営業が、お客さんが知りたいことを発見して「資料にして見込み顧客に送る」だけで良いので、顧客に刺さるテーマでのコンテンツ制作が容易になります。
(次回連載記事で詳しくお伝えしますが、マーケティング部とセールス部がわかれている場合は、セールスが商談録画をマーケターに共有するなどの工夫で解決できます)
コンテンツマーケティングは、“見えない多数の潜在層のニーズを想像”しないといけないのに対して、コンテンツセールスは、“目の前の1人の顕在層のニーズを聞けばいい”のです。
たとえば、
- 検討に必要な情報は何か?
- 競合比較しているなら「何」で比較しているのか?
- 類似企業の事例はあるのか?
など、お客さんが知りたがっていることを掴むのは比較的簡単です。
この1対Nの想像ではなく、1対1の対話によって生み出されたコンテンツ(資料)を、同じような状況の見込み顧客にメールで送付or架電して送付すれば、商談が獲得できる可能性があります。
そうして、評価の高い・成果につながった資料コンテンツをホワイトペーパー化することで1対1のために作った資料が1対Nのホワイトペーパーになり、「みんなが知りたいこと」をコンテンツにしたコンテンツマーケティングに展開することができます。
次のページで、実際に1人の顧客ニーズからホワイトペーパーを制作し、コンテンツマーケティングに展開していった事例をご紹介します。