SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第108号(2024年12月号)
特集「2025年・広告の出し先」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究(AD)

接客と同様に“シグナル”を意識したOMO戦略 ユナイテッドアローズが語るアプリ刷新の裏側・前編

 2024年10月に大きなアップデートが発表された「ユナイテッドアローズ オンライン公式アプリ」。これはアプリリニューアルの一部分であり、「3段階に分けて進めている」という。顧客中心のOMO戦略を推進する同社では、将来を見据えたアプリリニューアルの計画、設計、実装にどのような工夫を凝らしたのか。ユナイテッドアローズ OMO本部の岩井一紘氏、佐々木慎朗氏と、開発を担当したBIPROGYの渡邉充隆氏、島田佳奈氏に取材した。前編となる本稿では、OMO全体設計で特に重要視してきたことを紐解く。

ユナイデットアローズ オンライン公式アプリ、“段階的”リニューアルを実行

━━ユナイテッドアローズ(以下、UA)はアパレル業界のなかでも先駆けてデジタル化に取り組んでおり、OMO戦略を積極的に推進している印象です。そのキーマンである岩井さん、佐々木さんが、それぞれどのような役割を担っているのかを教えていただけますか?

画像を説明するテキストなくても可
株式会社ユナイテッドアローズ OMO本部 本部長 岩井一紘氏

岩井:OMO本部で全体管理を務める岩井です。OMOというとデジタル領域の施策と捉えられることが多いのですが、私たちUAは基本的に「お客様軸のコミュニケーション全般」をOMOと捉えており、デジタルだけでなく店舗オペレーションを管轄する役割も担っています。さらに言えば、会員プログラムである「UA クラブ」やCRM、EC、アプリ、そして広告やコンテンツなどもOMO本部で管轄しています。

佐々木:OMO本部デジタルマーケティング部に所属しています。デジタルマーケティング部ではアプリ施策を始め、CRM構築、キャンペーン実施、SNS、スタイリング投稿促進、店舗での他社ポイント施策や、Web広告やデータ分析、活用など多岐にわたりますが、私はアプリをメインに担当しています。

━━「ユナイテッドアローズ オンライン公式アプリ(以下、公式アプリ)」のリニューアルを進めているそうですが、その内容を教えてください。

佐々木:当社のアプリは今まで、会員証としての役割がメインでした。ただ、それ以外の利用の役割を持たせ、お客様との接点をより多く持つことで、お客様と長いお付き合いをしていきたいという思いから、まずは「より使いやすさを実現していこう」となりました。

 リニューアルは2024年から段階的に進めているもので、実はまだ完了していません。2024年の6月に第1回リリース、10月に第2回となる大きなリリースを行いました。最終リリースは今月末を予定しています。

キーワードは「おもてなしアプリ」、その狙いとは?

━━段階的に進めている理由は何でしょうか。

岩井:ブランドの世界観を伝えるという全社的な動き、そのプロモーション施策とも連動するように公式アプリのリリースを進めていこうと考えたのですが、一つ問題がありました。それは「リニューアルによって売上が落ちるのではないか」というリスクです。一般的に見て、ECアプリがリニューアルすると、ユーザーが新しいアプリに慣れずに売上が落ちるという現象はよくあります。そこで、段階的にリニューアルをかけてお客様の体験負荷をなるべく避けたいと考えました。

━━なるほど。そこでアプリ開発を担当したのがBIPROGYさんなのですね。

渡邉:はい。BIPROGYがSaaSとして提供している「Omni-Base for DIGITAL'ATELIER」(OBD)の導入コンサルタントの渡邉です。今回はスマートフォンアプリリニューアルの技術統括アーキテクトとしてプロジェクトに参加しました。

画像を説明するテキストなくても可
BIPROGY株式会社 プロダクトサービス本部 第六部 OBDサービス運用室 シニア・スペシャリスト 渡邉充隆氏

島田:OBDの適用コンサルタントの島田です。SaaSであるOBDの導入に際しては、単にお客様の業務を把握するだけでなく、その背景を理解することも重要になります。私のほうでは、お客様のご要望をお聞きしながら、お客様の求める運用や業務をOBD上で実現するための検討を行っています。

 今回のプロジェクトではプロジェクトリーダーという形で参加しました。

━━では改めて、今回計画されてきたアプリリニューアルについて教えてください。

岩井:コンセプトは「おもてなしアプリ」です。そもそもアパレルは基本的に接客ありきのビジネスモデルで、その意味で言えば店舗は最も大きなお客様接点と言えます。そして店舗でのおもてなしは、お客様にどのようなタイミングでどんなお声がけするかが重要なポイントです。今回のアプリリニューアルは、「デジタル上のパーソナライズをいかに上げ、店舗での接客精度に活かしていけるか」に焦点を当てて実施しています。

次のページ
接客に必要な“シグナル” 察知のために基礎課題の解消から着手

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:BIPROGY株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2025/01/24 10:00 https://markezine.jp/article/detail/47808

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング