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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究

「簡単、トヨクモ」を世界へ 代表山本氏が語る、売上高成長率125%を支えるPLG型マーケティング

ブランディング施策に大きな予算を投じる理由とは?

――こうした考えがある中で、どういったマーケティング活動に主眼を置かれているのでしょうか?

 ここ数年にわたり力を入れているのが、テレビCMをはじめとしたブランディング目的の広告です。

 ブランディング広告というのは短期的に成果が出づらく、見えにくいとされる施策です。しかし中長期的には企業やプロダクトのブランド力を高めてくれる効果が確実に存在します。そのため短期的な成果が見込めない、無駄な投資に見えても、ブランディング広告に一定の予算をとっています。

 短期的な売上などの成果を追う広告出稿をしないというわけではなく、ここも独自の計算式があり、短期的な成果を追う広告にも一定の予算を投じながら、ブランド広告にも適切な予算配分で出稿しているイメージです。

――ブランド広告には効果が出ると感じた経験が過去にあったということでしょうか。

 2000年から勤めていたサイボウズでの経験が大きいですね。証券会社からサイボウズに転職し販売責任者を務めていたのですが、サイボウズでは、当時のIT企業では珍しくマス広告を中心としたブランディングに力を入れていました。

 当時の規模を考えると相当な金額を出稿していましたが、その結果、社名やサービスの認知は拡大し、ネット直販のビジネスながら大きく成長することができました。この経験からお客様からの信頼を蓄積していく上で、広告は有効な手段の一つだと考えるようになったのです。

――広告では、どのようなメッセージを訴求しているのでしょうか。

 広告を通じて訴求しているのは「簡単、トヨクモ」というメッセージです。覚えやすいフレーズで、ブランド名が伝わり、価格やプロダクトの特徴を伝えられます。

 社員もこうした背景を理解してくれており、様々なお客様の目線となって考え、必要なコンテンツをリリースしてくれています。中長期的な信頼構築という意味で、非常に大切な活動だと思っていますね。

届くべき人へ届ける、を突き詰めていく 解約率0.7%の裏側に迫る

――御社のプロダクトは解約率が0.7%だと伺っています。非常に低い数字だと思いますが、どのような工夫をされているのでしょう?

 まず前提にはビジネスモデルの特徴が影響しています。トヨクモのプロダクトは基本的に、お客様がお試しの上で申し込みいただいています。その中でお客様に小さな成功体験を提供することで、契約につなげているのです。プロダクトがお客様の目的達成に貢献する限りは、使い続けていただけており、解約率も低くなっています。

 この考えがベースにあることから、トヨクモではお客様がプロダクトを使い始める際の体験を重要視しています。

 たとえば、ランディングページ一つとっても、どのような回遊をしてお試しをし、申し込んだかを検証して、解約率の低い行動モデルを導き出します。

 また、解約は私たちにとってもお客様にとっても損失です。そうであれば、そもそも解約に至ってしまうお客様には契約をしていただかないのが最善策となります。そのため、全員を解約率の低い行動モデルに当てはめようとするのではなく、トヨクモのプロダクトを必要とする方が違和感や不満なく申し込みまでたどり着けるランディングページを制作しているのです。

 弊社のサービスを「心地良い」と感じていただける方だけにしっかりとベネフィットを届ける。このノウハウを蓄積し、やがて対象を日本から世界へ広げていく。それが弊社の想いなのです。

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最新より半歩遅れでもいい、大衆にシンプルで安いを提供する

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この記事の著者

タカハシ コウキ(タカハシ コウキ)

1997年生まれ。2020年に駒沢大学経済学部を卒業。在学中よりインターンなどで記事制作を経験。卒業後、フリーライターとして、インタビューやレポート記事を執筆している。またカメラマンとしても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2025/03/24 08:30 https://markezine.jp/article/detail/48619

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