NTT Digitalとサンリオなど33社が取り組むWeb3キャンペーン最新事例
――その他にNFTなどのWeb3技術を駆使したマーケティングの事例はありますか。
重松:直近一番大きなプロジェクトとして動いたものだと、NTT Digital様と共同で行った「web3 Jam」です。web3 Jamとはブロックチェーンを活用した円滑な企業連携の可能性を探求する共創プロジェクトで、ブロックチェーンを共有顧客基盤として活用し、NFTなどのユーザーのトークン保有状況を共有します。本プロジェクトには、エイチ・アイ・エス様、カルビー様、JR九州様など33社が賛同しています(2025年3月時点)。

web3 Jamのイメージ(出典:web3 Jam特設サイト)
これにより、企業間の相互送客ができる上に、複数企業で顧客の行動や嗜好の把握ができるようになります。直近では「はっぴー&ウェルネス」がテーマの「はぴウェル応援団」キャンペーンを実施し、サンリオのキャラクターユニット「はぴだんぶい」とコラボしたNFTが獲得でき、参加企業33社の賞品が抽選で当たる施策を展開しました。
カルビーでは、購買につなげるNFT活用を実施
――昨今ユーザーのプライバシー保護の観点から、Cookieをはじめとしたデータ利用の規制などが進んでいますが、ブロックチェーンはデータ規制問題の解決策にもなりますね。
重松:まさしく、今後ブロックチェーン技術が発展すると、企業が保有する1st Partyデータと、グループ企業間で共有する2nd Partyデータの間にある1.5st Partyデータの存在が出てくると思います。これまでだと連携が難しかった、他社同士のデータ連携が容易になり、より精緻なデータドリブンマーケティングも可能になると思います。
――先ほど、CRM領域での活用も強まっていくという話がありましたが、実際に購買につながっている事例もあるのでしょうか。
重松:たとえば、カルビー様との取り組みでは、NFTチップスキャンペーンと題し、対象商品を購入したおまけにNFTを付与しました。これまでプロ野球チップスなどポテトチップスにおまけを付けてきたカルビー様にとって初の試みです。
獲得したNFTは購買と紐づいて成長する仕組みとなっており、ユーザーはゲーム感覚で楽しむことができ、カルビー様はNFTを保有するユーザーのファン度や購入頻度を測ることができます。また、抽選で限定のポテトチップスも当たるキャンペーンを行うなど、「ポテトNFT」を持つ人だけの体験を提供してきました。
このように、NFTを起点に購買を生み出しながら、ファンコミュニティを形成することも可能です。
――ここまでさまざまな事例を紹介いただきましたが、どの事例も比較的広いターゲットにリーチできる施策のように感じました。Web3を絡めた施策を展開する場合、相性の良い生活者やターゲットはいるのでしょうか。
青山:Web3が比較的新しい技術であることから、若年層向け施策での活用を考える企業様も多いですが、若年層以外であってもリーチできる可能性があります。デジタル技術に慣れている20代と30代からだとは思いますが、Web3は社会のインフラ技術としてすべての生活者に広がっていくはずです。