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【特集】“テレビ”はどうなる?

ショート動画×テレビCMのプランニングは生活者を主語にする。博報堂横山氏に学ぶ考え方

テレビCM×ショート動画活用のフレームワーク

──テレビCMとショート動画をうまく連動させるためには、どのような考え方が重要でしょうか?

 まず、「生活者をどのような状態・気持ちにしたいのか」という「問い」を立てましょう。問いは「目的」と言い換えることもできます。

 マーケティングコミュニケーションの目的を立てましょう、と言うと、マーケターの皆さんにとっては当たり前に聞こえるかもしれません。しかし、これまでは企業を主語にした「認知度を上げる」「商品の特徴を伝える」などが据えられてきました。そうではなく「生活者」を主語にした目的を考えることがポイントなのです。

 この点を踏まえ、プランを落とし込むためのフレームワークを考えてみました。代表的な問い(目的)ごとに、テレビCMとショート動画のプランニングの組み合わせ方を分類したものです。

テレビCM×ショート動画プランニングのフレームワーク(タップで画像拡大)
テレビCM×ショート動画プランニングのフレームワーク(タップで画像拡大)

 たとえば、「没入・参加型」では、生活者がブランドストーリーに深く共感し、感情的なつながりを強めることを目的にしています。この場合、テレビCMでブランドが大切にする世界観を描いて視聴者の心を揺さぶります。ショート動画ではその続きのストーリーや裏側を描くことで、生活者が物語を考察したり自分の感想を共有したりといった参加を促すコミュニケーションが考えられます。このように、生活者を主語にした「問い」さえ明確に立てられれば、このフレームワークから適したものを組み合わせて実践できるようになっているのです。

──今後のショート動画とテレビCMの活用について、マーケターにアドバイスをお願いします。

 テレビCMとショート動画の連携によって、ブランドと生活者の間に、単なる消費行動を超えた、深く持続的な関係が構築されると思います。

 そのために、マーケターは、旧来の「何を伝えるか」「どのように伝えるか」といったプランニングの考え方から脱却する必要があります。これからは生活者を主語にした「問い」が重要です。「生活者の感情をどのように動かし、どのような行動を促したいのか」という本質的な問いを追求することで、最適な統合プランニングの形が見えてくる。冒頭3秒で掴む表現やミームだけのショート動画ではなく、生活者の心を揺さぶり、記憶に残るような、長期的に愛されるブランド体験が創造されるはずです。

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この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/05/29 09:30 https://markezine.jp/article/detail/48716

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