LINE活用で実現する「CXM(顧客体験マネジメント)」
トランスコスモスは「国内大手飲食チェーンのCXM支援における、LINEを軸としたチャネル横断の現状と今後の展望」をテーマに講演。全国の顧客と企業・ブランド、そして各店舗とのコミュニケーションはどうあるべきか。同社が大手飲食チェーンと取り組んでいる「CXM(顧客体験マネジメント)」プロジェクトで描こうとしている世界観と、それを下支えする約1,000のLINE公式アカウント運用のリアルを、現場視点で紹介した。
LINEのサービス開始当初から、プロダクト導入から顧客支援まで一貫したサービスを提供し、長期にわたる実績を積み重ねてきたトランスコスモス。その結果、豊富な成功事例を有するに至っている。
今回事例として紹介した大手飲食チェーン企業が抱えていた課題は、オウンドメディアとポイントプログラムの最適化だ。これらの改善を通じて顧客満足度の向上を図り、さらにデジタル施策を起点とした店舗への送客強化、特にF2転換(初回来店客のリピート化)を促進する必要があった。

トランスコスモスが顧客企業と共に目指す世界観について、同社の百瀬氏は次のように語る。
「データに基づいて来店前から来店行動に至るすべてのプロセスを、一貫した顧客体験として提供することを目指しています。顧客満足度とロイヤリティの向上を通じて売り上げ最大化を実現するイメージです」(百瀬氏)
具体的には、LINEやメールによるOne to Oneコミュニケーションを起点とし、オウンドメディアやアプリでの来店予約、実店舗やECでの顧客体験から得られる情報をコンタクトセンターでの対応やMAを含むVOC(顧客の声)活動に反映。循環的なコミュニケーション深化を図る仕組みを構築しているという。

約1,000もの公式アカウントを効率的・安定的に運用するには
中でも現在注力しているのが、One to Oneコミュニケーションの軸であるLINEの活用だ。担当するトランスコスモスの阿部氏は「複数の公式アカウントを一つのグループに統合して一括運用できる、グループ機能を導入しています。これにより運用担当者は個別アカウントへのログインが不要となり、グループ単位での一括配信や設定変更が可能です」と説明した。
同社のLINE運用チームでは、クライアント企業の3ブランド・各店舗の合計約1,000アカウントもの大規模配信代行業務を担当。各ブランドから発生する業務依頼をプロジェクトマネージャーが一元管理し、3〜4名の専任メディアプランナーとの連携により、円滑な運用体制を確立している。
運用過程では、急な配信変更や顧客要望への迅速な対応を実現する一方で、業務の属人化やケアレスミスによる品質低下を防止する体制を整備した。年間配信数2億通超、月間平均40件の大規模配信を効率的かつ安定的に運用するため、独自のツール開発とフロー再構築に取り組んだ。
その結果、配信準備作業工数を従来の月60〜100時間から20〜40時間に短縮し、35%の工数削減を実現。また、ヒューマンエラーを防ぐ運用フローの導入により属人化リスクを解消し、配信ミス0件の安定運用を継続している。
今後はLINEと顧客データベースとの連携を予定しており、会員データを活用することで、よりパーソナライズされたメッセージ配信の実行が可能になるという。阿部氏は「顧客体験価値の向上を図り、より深い顧客関係の構築を目指していく」とした。
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