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MarkeZine Day 2025 Autumn

SNS起点で生まれるマーケティングトレンド

SNSから予測!2025秋美容トレンド 綺麗に“なれる”より“いられる”、単品バズから「レシピ化」へ

【2】「レシピ化」した美容:順序×組み合わせが価値

 2024年秋のトレンド予測で取り上げた、メイク/ヘアケアの使用アイテムを一覧で提示する「レシピ」投稿は、一過性のミームにとどまらず、2025年も安定的に流通。2024年10月〜2025年7月の平均で約9,200件/日のエンゲージメントを獲得しており、投稿フォーマットとして定着しています。

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 また、「〇〇レシピ」投稿に頻出したワードを時系列で見ていくと、人起点という点は変わらずですが、メイク/ヘアケア全体のアイテム紹介から、リップや眉毛などポイントメイク/ケアの為のアイテム紹介まで広がっていることがわかります。

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 これは、「レシピ」という表現が定着し、美容系の様々な投稿で用いられるようになったことを表しています。

 また、トータルメイク/ケアだけでなく、ポイントメイク/ケアにおいても、“アイテム単体で激変させる”のではなく、“クオリティの高い綺麗を仕込むためにアイテムの使う順番や組み合わせの構築”が必要、という生活者側の意識も醸成されていると考えられます。

 同様に、Xではコスメの組み合わせを「デッキ」と言い換えた投稿も度々話題になり、カードゲームのようにアイテムの順序×組み合わせを練り上げることの重要性は、美容関心層の共通認識になっています。

【3】アイドル処方=「最強の自分でいられる」品質基準

 「ステージ」というワードからわかるように、現役アイドルの“ステージ仕様”に求められる崩れにくさとビジュアルの完成度が参照軸になっています。

 また、「推し活の日のメイク/ヘアセット」「大事な日の前に必ず使うアイテム」といった表現も目立ち、“一番可愛い/綺麗でいられる”コスメが購買意思決定を後押ししています。ここでは、“なれる”ではなく“いられる”(完成度×持続性)ことが重要になります。

【4】スキンケアは「成分」だけじゃない「×技術」へ

 2025年上半期までのスキンケアは、アゼライン酸などによる皮脂コントロールと、角栓溶解が2大トピックとなりました。この2つのトピックは、肌悩みとして常に注目度の高い「毛穴」「ニキビ」に対するアンサーとなっており、人気を博しました。

 2022年頃から注目された“スキンケアにおける成分重視思考”は完全に定着し、2024年から登場した皮脂抑制成分「アゼライン酸」に加え、2025年は「PDRN」という韓国発のハリを与え毛穴も目立たなくする美肌成分が注目されています。

 さらに、某国内メーカーの独自の角栓溶解技術がSNSで話題化しました。成分配合だけでなく、メーカー独自の工夫や技術が盛り込まれていることが、“本当に効くかどうか”の判断軸として新たに浮上しています。

【5】ヘアはツヤより「さらツヤストレート」を長時間キープ

 ヘアでは新たに「ストレート」の出現が目立ちました。一方「ツヤ(語)」は2024年夏と比較し相対的にダウンしており、ツヤよりも「まとまり」重視の、美容院での髪質改善ストレート施術を受けたような、“さらツヤストレートヘア”の人気が上昇しています。

【6】「忖度なし本音レビュー」が説得力の通貨に

 スキンケア/ヘアケアでは「美容に〇〇円課金した私の忖度なし本音レビュー」といった語り口の投稿がエンゲージメントを獲得していました。インフルエンサーによるPR前提の時代だからこそ、賛否も含めた本音のレビューですよという申開きによって、透明性をアピールする風潮が生まれています。

【7】「〇〇女子」で悩み・体質・特徴別にタグ化

 「顔面油田女子/黒髪女子/老け顔悩み女子/ブルベ女子……」など、悩み・体質・特徴別に自己タグ化が進行している傾向が見られました

 特定の悩み・体質・特徴に合わせたアイテム情報が人気な上、以前から見られた「〇〇の民/〇〇界隈」よりも、ネガティブな悩みを共有しながらも、一緒に可愛くなろう! といったポジティブなニュアンスを含むコミュニティ的な盛り上がりのように感じられます。

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2025年秋のトレンドを予測

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この記事の著者

奥村 咲香(オクムラ サキカ)

スパイスボックス Social Insight Lab.アナリスト
 プロデューサーを経て、スパイスボックス独自のSNSデータを活用した、SNSアカウント運用・オフライン統合施策・新規事業立案などを目的としたプロジェクトにおけるデータ活用・戦略立案に参画。現在はナショナルクライアントを中心に、各SNSプラットフォームを...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/09/17 09:00 https://markezine.jp/article/detail/49487

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