2025年上半期の7大トレンドを読み解き
こんにちは。スパイスボックス Social Insight Lab.アナリストの奥村咲香です。Social Insight Lab.では、SNSの投稿データやプロファイリング情報を抽出して生活者のインサイトや動向の分析を行っています。
本稿では、X上の美容に関する投稿データを分析し、2025年夏までの美容トレンドサマリーと、2025年秋の美容需要を予測します。
まず、今夏の頻出キーワードから、2025年上半期までの美容トレンドを読み解きます。2025年夏に500エンゲージメント以上を獲得した美容関連のX投稿に含まれていたキーワードを抽出し、2024年夏同期間より出現率が増加していたものをリストアップしました。

コロナ禍以降の「飾るより、素材の美しさを演出する」潮流は継続しています。その一方で、2024年まで主流だった素材ケア文脈から、仕上がりのクオリティを高めその状態を長く保つ方向へのシフトが明確に見られました。
【1】「崩さない・落ちない」需要の伸長
メイクアップでは「落ちない(ベースメイク)/落ちない(リップ)/崩れない(肌)/前髪(を崩さないフェイス)パウダー」などの、“メイクキープ”に関するワードが2024年より増加し、持ち運びコスメに関する「ポーチ/バッグ」というキーワードも登場しました。
スキンケアでも、「崩れない(ベースメイクのためのスキンケア)」/(皮脂抑制成分である)アゼライン酸/(ファンデが浮かなくなる)角栓ケア」などのキーワードに表れているような、メイクの持ちを良くするためのスキンケア情報が昨年よりも多く見られました。
ヘアケアでは「頭皮/梅雨/うねり/ベタつき/皮脂」などのキーワードが2024年夏より増加し、猛暑・外出・イベント回帰の中での髪悩みに関するワードが増加しました。
2024年夏の頻出キーワードでは「ケア/改善/カバー」の文脈に寄っていたのに対し、2025年の夏は「どんな環境下でも崩さない」「常にベストな自分でいたい」という、外出時でも高いクオリティをキープしたいというニーズが顕著です。
下図は、直近1年間のメイク・スキンケア・ヘア投稿のうち、「崩れない・落ちない」を含む投稿量の推移です。耐久系は例年夏に伸びますが、2025年は1月から高水準で、非夏期(1~5月)の平均が昨夏(6~8月)の平均を上回っています。つまり、暑さ要因だけではない“キープ重視”が、2025年に入り定着したと見られます。
