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MarkeZine Day 2025 Autumn

SNS起点で生まれるマーケティングトレンド

SNSから予測!2025秋美容トレンド 綺麗に“なれる”より“いられる”、単品バズから「レシピ化」へ

2025年秋のトレンドを予測

 ここからは、2024年秋に出現率が増加した単語と2025年夏の傾向を踏まえて、2025年秋のトレンドを予測します。

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【メイクアップ】セミマット高密着 × 荒れず落ちない × 多幸感カラー設計

ベース:昨秋は乾燥期でも密着して浮かないベースへの関心が高く、「保湿」「プライマー」等で仕上がりを整える情報が伸長。今夏の傾向を踏まえると、秋は「高密着 × 崩れ耐性」をより重視すると見ています。

リップ:昨秋からの「(飲み会に行っても/一日経っても)落ちないのに荒れない」は継続必須。今夏はグロス/ティント/プランパーで縦ジワを和らげ、ぽってり質感を作る手法が拡大しました。秋も「落ちにくさ+荒れにくさ」×質感補正が核になりそうです。

カラー:秋は色味が増える一方、昨秋は過度な血色強調は控えめでした。ニュアンスブラウン〜ベージュを軸に“抜け感”を作り、アイシャドウは淡め、チークで「多幸感」を足すバランスが主流。今季の多幸感トレンドとも整合します。

質感:「マット」というワードが増加していますが、昨秋は、チークやベースメイクにおいて、ギラギラの艶や硬いマットではなく柔らかく薄膜の「さらふわセミマット」に支持が集まり始めました。粉質の良さで上品な“さらツヤ”を添える仕上げが今っぽい質感です

影の使い方:秋は例年「シェーディング」の出現率が上がります。今夏の傾向を含めても、シェーディング/涙袋の影/下まぶたキワ拡張ライナーなど、パーツを自然に拡張する“影テク”がメイクの鍵となります。中でも直近では、「ナチュラルなのに効果大」を実現できる絶妙なリアル影カラーコスメの注目度が高まっています。

トータル設計:色が深まる秋は、髪色・服色に合わせて眉トーンまで整える“トータルカラー設計”で垢抜けを狙うトレンドが、今秋も続く見込みです。

運用:外出・イベント前提で、ミニサイズや多用途アイテムを活用し、持ち運びやすい「外出耐性レイヤー」を組む流れは、今夏からの動きとして定着方向にあると考えます

【スキンケア】夜仕込み→朝ふっくら→日中密着の“24hレシピ”

テクスチャー補正:洗顔やクレンジングで角栓・毛穴の黒ずみやざらつきを落として肌表面を“つるん”と整え、その後の密着感とメイク持ちを底上げする流れは、昨秋〜今夏にかけて増加しており、今秋以降も続きそうです。

朝まで続く乾燥ケア:昨秋は「クリーム」「起きる」というワードが増加し、スキンケアの仕上げに「クリームで蓋をする」や、「朝起きた時にもふっくらしている」といった表現が目立ちました。今夏の“外出時のメイク持続性”が重視されている傾向を踏まえると、ケア直後だけでなく睡眠中も続く保湿で、起床時の肌まで整える発想が一層求められます。

日中までつなげる:朝のスキンケアは、“崩れないメイクのための下地作り”として機能させることが重要。高い“密着感"の設計が鍵となります。

訴求軸は「成分」×「技術」:毛穴・角栓・ニキビ、乾燥崩れや皮脂崩れといった関心の高い悩みに対し、配合成分の根拠とメーカー独自の処方・技術をセットで提示することが信頼につながります。単なる“成分名の羅列”ではなく、どう効かせるか(機構)まで語ることが重要です。

【ヘアケア】熱前後のレイヤーで“さらツヤ”に仕上げて保つ

トレンドの変遷:2023年頃は“髪質を改善して美人見え”が主流でしたが、2024年〜2025年は仕上がり重視へ。シャンプー選びでの髪質ケアよりも、ドライヤーやアイロンの前後、セット時に足すアイテムで“さらツヤ”を作る運用が中心になっています。

仕上がり設計(熱前後レイヤー):昨秋は、洗い流さないトリートメント+コームや、艶出しスプレー/ミストなどを熱前〜熱後〜仕上げの工程で使い、サラツヤを長時間キープするスタイリング方法が人気でした。2025年トレンドのサラツヤストレートヘアにもフィットしそうです。

アイテム選択の嗜好:重さやベタつきを避ける流れから、オイル<スプレー/ミストの支持はさらに拡大していきそうです。質感の基準も“強い光沢のツヤツヤ”より、うねりを抑えたまとまりのある「さらツヤストレート」への選好が続きそうです。なお、昨秋に増加した「秒で」というキーワードは仕上げ用艶スプレー/ミストの速攻性を示す文脈で用いられていました。

参照軸(憧れ像):ヘアケアが“仕上がり”で語られる潮流の中、アイドル/芸能人/インフルエンサーのさらツヤ髪が指標に。憧れの人が使う艶出しアイテム情報は引き続き強い需要があり、2025年は特に「ケア」より「仕上がり」の文脈で語られる傾向が一層明確になっています

2025年は「完成度を仕込み、長く保つ」が当たり前に

 2025年上半期のSNS動向を総覧すると、コロナ禍以降の“素材の美”志向は維持しつつ、重心は“素材ケア”→“仕上げ×持ち”へシフト。具体的には、崩さない・落ちない・皮脂/湿気をいなすという“耐性”キーワードが拡大し、メイク/スキンケア/ヘアケアの順序×組み合わせ=レシピ化が定着しました。

 さらに、アイドル仕様の品質基準、成分×メーカー技術の二軸で“効かせる”設計、忖度なし本音レビューの透明性が、選定の決め手になっています。

 この延長線上で迎える2025年秋は、乾燥・皮脂変動・色味の深まりという季節要因に、“仕上げの完成度を長時間キープ”する発想が重なります。また、買い方/語り方は“単品バズ”よりレシピ運用、「〜になれる」と仕上がり重視の訴求、悩み別(〇〇女子)で選ばせる手法が、引き続き有効と見ています。

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この記事の著者

奥村 咲香(オクムラ サキカ)

スパイスボックス Social Insight Lab.アナリスト
 プロデューサーを経て、スパイスボックス独自のSNSデータを活用した、SNSアカウント運用・オフライン統合施策・新規事業立案などを目的としたプロジェクトにおけるデータ活用・戦略立案に参画。現在はナショナルクライアントを中心に、各SNSプラットフォームを...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/09/17 09:00 https://markezine.jp/article/detail/49487

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