PRがマーケティングに効果的な3つの理由
なぜマーケティングにPR活動が有効なのか。瀧沢氏はその理由を3つ挙げる。
1つは、テレビCMなどのマス広告を使って認知を広げるよりもPRのほうが費用を安く抑えられること。実際、毎月数百万円から数千万円を広告予算に投入している企業が、単月予算で100〜200万円のPR費用をかけるだけで検索ボリュームが急増した例があるという。
なぜPRが検索に効くかといえば、広告と違って第三者であるメディアが報じた客観的なメッセージだからだ。広告はあくまで企業目線の一人称で語られるメッセージだが、PRを通じたメッセージは、第三者機関であるメディアを経由して拡大する。人間は元々独りよがりの自己アピールより、第三者からの評価を信じる傾向がある。このため、「テレビで見たあの商品が良さそうだから検索してみよう」と、次の行動につながりやすくなる。
もう1つは、PR活動は工夫次第でマス広告に匹敵するかそれ以上の成果を出せること。たとえば仏壇で有名なはせがわでは、リビングに置いても違和感のない「リビング・コレクション」という仏壇シリーズを展開していたが、ターゲットとなる若年層への認知度向上に悩んでいた。そこで検索創出型マーケティングで200万円の単発施策を展開し、ネーミングも「リビング仏壇」としてメディア・プロモーションしたところ、影響力のある媒体で記事として取り上げられ、指名検索数と売上を大きく伸ばした。
最後に、PRはデジタルマーケティング全体に好影響をもたらすこと。PRがあることで、デジタル施策全体にレバレッジがかかり、相乗効果で成果が上がる。これら3点がマーケティングにPRが有効な理由であり、検索創出型マーケティングの特長となっているポイントだ。
PRがデジタルマーケティングに良い影響を与える仕組み
PRがデジタルマーケティング全体にもたらす好影響について、詳しく見ていこう。
起点となるPR活動は、記者説明会やプレスリリースなどのほか、インフルエンサーによる発信や一般向けイベントなど様々な活動がある。こうした活動について報道・発信された情報を見て、消費者は興味を覚え、検索行動に移る。ここでPRとデジタルマーケティングを連動させるポイントとして、瀧沢氏が「最も重要なポイント」と述べているのが、中央にあるランディングページだ。
 
ランディングページは、検索をしたユーザーが最初に訪れるいわばファーストタッチポイントに当たる。ここでコンバージョンをしっかり取ると同時に、訪問したユーザーに対しデジタル広告でアプローチし続けるというプロセスをしっかり設計することで、一度興味を持ったユーザーを取りこぼすことなく成果につなげられるという。
具体的な好例として挙げられるのが、2022年に日本に上陸した中国発の肉まん専門店「イェーパオズ」だ。
 
ベクトルグループでは、中国で大人気の行列ができるイェーパオズが日本初上陸するタイミングに合わせて話題を最大化できるように、コンセプトの策定からキーワードを創出し、デジタル施策まで一気通貫で実施。本場中国発ということで「ガチ中華」というキーワードを作り、認知施策としてPR活動、理解促進のためにSNSやタレントによる情報発信を展開、そして縦型動画で「ガチ中華」と「イェーパオズ」の両方を訴求することで話題を作った。「ガチ中華」という言葉はトレンドとなり、2022年の新語・流行語大賞でトップテンに入賞。検索トレンドも急上昇し、話題となった。

 
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                
                                 
                                
                                 
              
             
                    