未顧客期間にマーケティングで行うべきこと
こうした研究を背景に芹澤氏は「短期成果を最大化したい場合でも、結局は認知や想起といった長期的なブランド構築に投資するしかない」と指摘する。それによって消費者のブランド選択、つまり将来のキャッシュフローの大半が決まってしまうからだ。
ただし、これは単にたくさんテレビCMを流せばいいという話ではない。ポイントは、認知や想起の“仕込み”にあるという。思考停止して競合ブランドを選ぶ習慣を解除し、自社が選ばれやすい認知状態、記憶構造にしておくことが重要なのだ。芹澤氏は、認知科学や行動科学にそのヒントがあると考えている。

「CEPにしてもメンタルアベイラビリティにしても、突き詰めていくと“習慣”の壁にぶち当たります。想起も選択も結局は習慣に支配されているからです。それをどう壊すか、あるいはどう新しく作り上げるか。マーケターにとってはそうした引き出しを持っておくことが重要であり、EBMIでは認知行動科学の実証実験を中心にレビューを進めてきました。次回の書籍では、その辺りを報告できると思います」(芹澤氏)
デジタルマーケティングにも数多くの指標があるが、売上の踊り場に差し掛かった時には、一度デジタルの外に出て、ブランドの認知・想起を高めることが次の一手につながるかもしれない。引き続き、続報に期待したい。

 
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                
                                 
                                
                                 
              
            