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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

MarkeZine Day 2025 Autumn

【広告意思決定論】芹澤連が説く「広告にできること/できないこと」

未顧客期間にマーケティングで行うべきこと

 こうした研究を背景に芹澤氏は「短期成果を最大化したい場合でも、結局は認知や想起といった長期的なブランド構築に投資するしかない」と指摘する。それによって消費者のブランド選択、つまり将来のキャッシュフローの大半が決まってしまうからだ。

 ただし、これは単にたくさんテレビCMを流せばいいという話ではない。ポイントは、認知や想起の“仕込み”にあるという。思考停止して競合ブランドを選ぶ習慣を解除し、自社が選ばれやすい認知状態、記憶構造にしておくことが重要なのだ。芹澤氏は、認知科学や行動科学にそのヒントがあると考えている。

 「CEPにしてもメンタルアベイラビリティにしても、突き詰めていくと“習慣”の壁にぶち当たります。想起も選択も結局は習慣に支配されているからです。それをどう壊すか、あるいはどう新しく作り上げるか。マーケターにとってはそうした引き出しを持っておくことが重要であり、EBMIでは認知行動科学の実証実験を中心にレビューを進めてきました。次回の書籍では、その辺りを報告できると思います」(芹澤氏)

 デジタルマーケティングにも数多くの指標があるが、売上の踊り場に差し掛かった時には、一度デジタルの外に出て、ブランドの認知・想起を高めることが次の一手につながるかもしれない。引き続き、続報に期待したい。

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この記事の著者

加納 由希絵(カノウ ユキエ)

フリーランスのライター、校正者。

地方紙の経済記者、ビジネス系ニュースサイトの記者・編集者を経て独立。主な領域はビジネス系。特に関心があるのは地域ビジネス、まちづくりなど。著書に『奇跡は段ボールの中に ~岐阜・柳ケ瀬で生まれたゆるキャラ「やなな」の物語~』(中部経済新聞社×ZENSHIN)がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/10/31 09:00 https://markezine.jp/article/detail/49915

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