イントロ
君がいた夏は遠い夢の中、空に消えてった打ち上げ花火
夏の終わりはさびしいね。楽しかった夏休みの思い出。キャンプに海水浴にプール、熱めのお茶に意味深なシャワー、野外の音楽フェスティバル、喫茶店のアイスコーヒーの向こうの高校野球、そして北京オリンピック。北京の夜空を彩った何千発もの打ち上げ花火(一部はCG)とともに、この夏休みで僕らに「さようなら」を告げて逝ってしまうウェブサービスがいくつもあるんだ。
だから今日は、お盆も過ぎて、おばあちゃんがもうクラゲが出るから泳いじゃいけないと教えてくれた、二十四節季の処暑も過ぎ、打ち上げ花火より線香花火が良く似合う、もう朝晩には完全に涼しくなりかけている夏の終わりにふさわしく、ウェブサービスの落し物を拾い集めてみたい。
ライブドアのSNS「frepa」が終了へ
この原稿をまさに書いている最中に飛び込んできたのが、株式会社ライブドアの「frepa(フレパ)」終了の知らせである。オリンピックの閉会式を見届けるかのように8月25日に発表されたアナウンスでは、10月25日に新規の書き込みを停止し、11月25日には全サービスを終了するという終了へのカウントダウンが提示されている。
frepaといえば、ライブドアが2005年1月にβ版提供を開始した「livedoor フレンドパーク」を前身とする、ソーシャルネットワークサービス(SNS)の中堅サービス。同年10月に正式サービスとなる際に、mixiのようなユーザー招待制から自由登録制に切り替え、一時期は先行するGREEを会員数で追い抜いたと観測されたこともあった。(参考:はてなブックマーク)
しかし、2006年前半にSNS機能を大きくフューチャーしたケータイ向け無料ゲームサイト「モバゲータウン」が嵐のように現れて以来、SNSの主戦場はケータイサイトかつ低年齢層という傾向に。同年後半にはGREEがauと提携してEZ GREEを開始、2007年にはmixiとGREEがiモード公式サイト化(8月にはソフトバンクの公式にも)と事態は進展しており。フレパはその流れに置いていかれている感があったことは否めない。
サービス終了に際して、ユーザーのコンテンツはダウンロードまたはライブドアの他サービスへの移行ができるようになるとのことだが、他サービスとはなんだろうか? ライブドアで日記などをインポートできそうなサービスといえばまず「livedoor ブログ」だが、ソーシャルメディア的にはミニブログ「nowa」に注力していくというのも面白い。
ともかくmixiがOpenID対応を発表するなど、SNS界隈はまだまだひと波乱ありそうな予感に満ちている。あのライブドアがいつまでも黙っているはずはない。捲土重来を期待したい。