日本の広告主は、どんなメディアにお金を払っているのか
今回のテーマである「オフライン広告」は、成長著しい「オンライン広告」以外の広告カテゴリを指すと思われますが、ちょっとくくりとして弱い感は否めません。しかし、検索連動型広告をはじめとするオンライン広告の躍進によって、逆にそれ以外の既存の広告メディアが停滞しているように感じている人も多いのではないでしょうか。
下のグラフは電通が毎年発表している「日本の広告費」から、媒体別広告費を抜き出してグラフ化したものです。横ばいのマス4媒体(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ)に対して、インターネット広告、すなわちオンライン広告の伸びにはやはり勢いがあります。しかし、気になるのは「SP」というグラフ。依然日本の広告費の最大シェアを占める「テレビ」とほぼ同じラインを推移し、2007年には一気に7000億円以上もテレビに差をつけているこのカテゴリは「セールスプロモーション広告費」です。
このカテゴリこそ、まさに「オフライン広告」そのものと言えるものではないでしょうか。この広告カテゴリについて、電通のデータをもとにさらに詳しく見ていきましょう。
「日本の広告費」が7兆円の大台に乗ったワケ
今年の2月に2007年の日本の広告費を発表するにあたって、電通は対象とする広告費の範囲の見直しを行っています。その際、従来の「セールスプロモーション(SP)広告費」を「プロモーションメディア広告費」に改称し、さらに大幅に内容を見直しました。
プロモーションメディア広告費に含まれるのは、屋外・交通・折込・DM、プリーペーパー/フリーマガジン・POP・電話帳・展示/映像他です。このうち、フリーパーパー/フリーマガジンの広告料は今回はじめて対象となりました。また、以下の4つのカテゴリについては、対象範囲の追加や料金の見直しなどが行われています。
・屋外:広告板・ネオン+屋外ビジョン+ポスターボード
・交通:鉄道・バス+空港・タクシー
・折込:全国の料金を見直し
・DM:郵便料+民間メール便配達料
これらの改訂の結果、2007年の日本の広告費の総額ははじめて7兆円の大台に乗りました。発表当初は「ついに7兆円」という印象もありましたが、対象範囲の拡張や見直しによって達成されたものなのです。
さらに今回の改訂では雑誌カテゴリでも見直しが行われ、新たに業界誌、専門誌、カード誌・会員誌、ローカルタウン誌が加えられました。その結果、先ほどの折れ線グラフでもわかるように、雑誌の広告費は2007年に上向く結果となっています(電通は2005年までさかのぼったデータも発表)。